悲しみを背負うには
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つくった。ニルヴァーナはワシ等の国となり、平和の象徴として一時代を築いた」
善悪超反転魔法であるニルヴァーナは危険な魔法であると同時に、ニルビット族の都市だった。
だが・・・かつてティアが言ったように、魔法は無敵の力ではない。
魔法で全ての事が解決するなんて有り得ない。
「しかし強大な力には必ず反する力が生まれる。闇を光に変えた分だけ、ニルヴァーナはその“闇”を纏っていった」
光を与える代わりに闇を与えられる。
人から闇を奪い、それを纏う。
その輪が崩れてしまえば、バランスが崩れる。
「バランスを取っていたのだ。人間の人格を無制限に光に変える事は出来なかった。闇に対して光が生まれ、光に対して必ず闇が生まれる」
「そう言われれば、確かに・・・」
「シェリーが闇に変わった分、リチャードが光に変わったしね」
ローバウルの説明に、実際闇に変わってしまったシェリーから攻撃されたグレイとティアはシェリーとリチャードを思い出す。
「人々から失われた闇は、我々ニルビット族に纏わりついた」
「そんな・・・」
「それって・・・」
信じられないというように目を見開き、ローバウルの話を聞くウェンディとココロ。
そんな中、アランは強く拳を握りしめ、唇を噛みしめた。
「地獄じゃ。ワシ等は共に殺し合い、全滅した」
それを聞いた連合軍メンバーは静かに息を呑んだ。
その話が嘘だとは思えない。
だが本当だとなると・・・ローバウルは仲間同士の殺し合いを経験している事になる。
「生き残ったのはワシ1人だけじゃ」
ローバウルが視線を落とす。
ウェンディとココロの目が、見開かれる。
「いや・・・今となってはその表現も少し違うな。我が肉体はとうの昔に滅び、今は思念体に近い存在」
400年前から存在し続けるローバウル。
肉体が滅びてしまうのも当然の事だった。
「ワシはその罪を償う為・・・また・・・力なき亡霊の代わりにニルヴァーナを破壊出来る者が現れるまで、400年・・・見守ってきた」
これこそがローバウルの罪。
そして・・・見守っていたニルヴァーナは破壊された。
「今・・・ようやく役目が終わった」
そう呟くローバウルの表情には笑みが浮かんでいて、どこか満足そうだった。
「ウソだよ・・・ウソ、ですよね・・・?」
「そ・・・そんな話・・・」
信じたくない。
目の前にいるマスターが亡霊なんて嘘であってほしい。
体を小刻みに震わせながら、ウェンディとココロは声を震わせる。
すると―――――異変が、起こった。
「!」
シュッ、と。
化猫の宿のメンバーが消えた。
それに続くように、1人、また1人と消えていく。
「マグ
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