オリジナル/未来パラレル編
第33分節 呉島兄弟 (1)
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ず息を呑んだ。70億人中60億人を、殺す。貴虎はそう言ったのだ。
「……壊したあたしが聞くのもおかしいけど、人類ぜんぶ救う方法は、その時はなかったの?」
「なかった」
貴虎は明瞭に言い切った。
「ドライバーの量産はユグドラシルの生産ラインをフルに使っても10億台が限界だった。もっともこの計画が全世界にバレて、ユグドラシルも規模縮小を余儀なくされたから、今年に入るまでに製造できた量産型ドライバーはせいぜい1億台だ」
生存率7分の1でも物申したいのに、今や70分の1。確かに12歳の咲なら反対の立場で戦っただろう。紘汰と一緒に別の策を探して戦っただろう。
「プロジェクトアークっていうのをあたしが壊しちゃったのは分かったけど。それがどうして、光実くんとお兄さんを解放することになるの?」
そこで光実は寂しげに笑み、貴虎は遠くを思いを馳せるように目を細めた。
「碧沙ならそう望むからって。咲ちゃんがそう言ったんだよ」
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