自称王と他称王
三話
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アレクは思わず顔を背けた。
「眩しい!」
「え? え? え?」
イジメと聞いてつい口出ししたのだが何がいけなかったのだろうか、とヴィヴィオは狼狽し始めて、終いには謝りだしてしまう。
ティアナは全く悪くないヴィヴィオを止めるべく、先ず原因に鉄槌を下した。
「あだっ!?」
「大丈夫よヴィヴィオ。こいつの出任せだから。ほら、誤解を解くついでに自己紹介もしちゃいなさい」
「へーい。……え〜、さっきのはティアナの姐さんから物質を取り返すんで、同情してくれたら楽かなぁなんて思って口走った嘘でござんす。この格好も身を張った演技で流してくれると俺ことアレク・N・アルヴァークは嬉しいな、なんて思ったり」
「あ、そうだったんですか……」
チラリとヴィヴィオはティアナの方を見ると、視界に入ったノーヴェとスバルも同時に頷いていた。
本当なのかな、と素直に納得しきれなかったし他にも気に成る事を言ってたが、まだ自分が自己紹介をしていないことに気付き此方を優先した。
「あ、わたしは高町ヴィヴィオです。向こうに居るのは友達のコロナとリオです。えっと、アレクさんもアインハルトさんとお友達なんですか?」
「いやいや、俺はストーカーひが痛いたいたいたいたい」
「え? ストーカー?」
「気にしないでヴィヴィオ。これも出任せだから」
「あ、はい……?」
アレクを抓るティアナに釣られて頷いたが、やはり気に成った。チラリとアインハルトの方を見ると、心なし顔を赤くしてアレクを睨んでいる、気がする。
どういう関係なんだろ。アレクとティアナの遣り取りから訊いてはいけないような気もするので、ヴィヴィオは内心で問うが当然答えは出てこない。
得る為にはどうしたらいいか。――本人達に訊くしかない。
話してくれるだろうか。――話してくれるまで仲良く成ればいい。
この後に行うスパーリングは、その切っ掛けに成るかもしれない。
(よし、頑張ろ!)
そろそろ場所を移そうと声が上がったのでヴィヴィオはいよいよ気合が入り始める。
相手はどんな戦い方をするのだろう、そう考えて、気づいた。
(あれ? どっちとやるんだろ?)
ノーヴェからのメールは『格闘技をやっている子と知り合ったからスパーしてみないか?』というものだったので、てっきり一人だけだと思っていた。
スパーリングの相手はアインハルトか、それともアレクか、若しくは両方か。
どれかと問われれば、ヴィヴィオは迷わず両方と答える。多くの人と手合わせした方が為に成り、勉強に成り、そして何より楽しいから。
「アインハルトさん、アレクさん、今日はよろしくお願いします!」
ヴィヴィオは先に移動を始めた二人に追い着くと、改めて頭を下げた。
すると、返答は異
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