暁 〜小説投稿サイト〜
覇王と修羅王
自称王と他称王
三話
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んな人達なんだろ、と改めて思い馳せた時、ヴィヴィオの耳に凛とした声が通った。
 振り向くと、中等科の制服を着た二人組が居た。

「お待たせしました皆さん。アインハルト・ストラトス、参りました」

 頭を下げるアインハルトに、ヴィヴィオの目は釘付けになった。おそらくノーヴェが会わせたかった人はこの人なんだろうと直感で悟った。

「初めまして、高町ヴィヴィオです!」
「……アインハルト・ストラトスです」

 アインハルトは握手を求めるヴィヴィオに答えるが、心中穏やかではなかった。
 夢に見た紅と翠の目は確かに聖王女の証し。だが、この脆そうな身体では、拳を交えたとしても……。
 この後スパーリングを行う予定だが、アインハルトは戸惑いと同時に、少し落胆を覚えていた。

「よろしくお願いします!」
「……此方こそ、よろしくお願いします」

 内心を出さずヴィヴィオに応じるアインハルト。
 その横をアレクは素通りしてティアナの所に行きキーを返せと手を出すが、叩かれるだけだったので激しく落胆した。

「それより、その格好はどうしたの?」

 アレクの制服は別れた時とは打って変わって草臥れており、第二ボタンまでは胸倉を掴まれたように千切れていて、何か争ったような形跡がある。登校時に男子生徒達から嫉妬に塗れた歓迎を受けた結果である。
 ただ、本人達は殴り愛で騒いでる認識なので、一応喧嘩までは発展してない。尤も、データに喧嘩無しと記されているのはシャッハの温情であるのだが。
 だが、端から見れば喧嘩した後のように見えても仕方ない。疑わしい視線を投げるティアナに、もう色々と面倒に成ってきているアレクは端的に答えた。

「イジメられました」
「アインハルト、真相は?」

 一応、襲われた側であるので全くの嘘ではないとアレクは思っているが、余りにハッキリ答え飄々としているのでティアナの不審を煽るだけだった。
 なのでティアナはヴィヴィオとの遣り取りを終え此方を向いていたアインハルトに訊くが、答え難そうにしていた。
 確かにアレクは襲われた側だが、胸倉を掴んだ生徒は蹴り飛ばし、他は千切っては投げを繰り返して全て撃退した。その後、襲った生徒を重ねて作った山に座り猿の大将を気取っていた、と記憶している。
 果たして本当にイジメだったのか、アインハルトも判断を下せずにいた。

「あ、あの!」

 割って入った声の方を向くと、ヴィヴィオが心配そうにアレクを見上げていた。
 どうやらイジメという言葉を真に受けたらしい。ティアナ等の知り合いなのでさぞかし豪胆な性格をしてるだろうと、勝手な予想をしていたアレクにとっては意外だった。他二人も同じような感じなので意外過ぎた。
 加えて、ヴィヴィオの瞳があまりに純粋円らだったので、
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