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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第85話 聖戦対策
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ずですし、国内の問題を処理する部署と、国外の問題を処理する部署は違って居て当然。
 MI5とMI6は完全に別箇の存在ですし、FBIとCIAも違います。
 さしずめ、タバサはガリア版のMI5の捜査員……フランス風に言うのなら、国土監視局の捜査員と言う事ですか。

「ロマリアの聖職者たち。基本的には新教に近い考え方を持つ聖職者たちや前線指揮官どもに御告げの夢を見せた後、私の名前。ガリア国内にノートル=ダムの聖堂を建てまくって居る非常に信心深いガリア王国王太子ルイの名前で、贖宥状に対する疑問を質問状としてロマリアの教皇庁や、主な神学校に送り付けるだけですよ」

 一応、ロマリアサイドからの俺……ガリア王太子ルイの評価は、信仰の擁護者。非常に高い評価を受けて居る事と成っています。
 もっとも、その称号を得る為に、それなりの出費を行ったのは確かなのですが。

 但し、それはすべて俺のフトコロから出て来た資金。この世界の魔法では絶対に魔法に因り錬金された貴金属だと見破る事の出来ないハゲンチが作り出した金や、ハルファスの調達した珍しい工芸品。大地や水の精霊が調達して来た宝石の類がソレに当てられたので、ガリアの国庫はまったく開かれていないのですけどね。
 それで、今回はその出費に似合う働きをして貰いましょうか。信仰よりも別の物が好きな御歴々に。そして同時にガリア寄りの枢機卿は存在するでしょうし、ガリアの総大司教と成るとかなりの権限を持って居るはずですから、そちらの方からの働きかけも可能ならば、行うべきですか。

 自分たち……俺とタバサ、そしてその一党が現在、何故ガリアの統治機構に組み込まれているのか、の疑問については後回しでも良いでしょう。そう結論付けて、その策の大まかな内容を口にする俺。

 要は、宗教改革の引き金となったルターの『九十五か条の論題』をやってやろうと言う事。
 そもそも、贖宥状を買うだけで現世の罪が減じられる、などと言う事を信じて、贖宥状を売りさばいて居る聖職者などいないはず。むしろ、そう言う行為を苦々しく思いながらも口出し出来ずに居る人間に、別の権威から正論を突き付けてやって、口を開き易い状態を作ってやろうと言うのです。
 感謝される事は有っても、非難される事は少ないでしょう。

「それぐらいの事なら構わないさ。ただ、流石にアンタたちにロマリアに潜入されたら、こちらのバックアップは難しくなる。その辺りの事は理解して貰いたいよ」

 矢張り、タバサの国内での活動にはある程度のバックアップ体制が取られていた事を証明するイザベラの言葉。
 更に、この言葉は俺のウカツな行動を縛める言葉とも成りますから。

 もっとも、流石の俺もロマリアの教皇の暗殺を謀る為にロマリアに潜入する訳は有りませんし、そんな事を為そうとも思
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