第5章 契約
第85話 聖戦対策
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行かないからね」
俺の顔を少し睨むような目をした後に、イザベラがそう答えた。眼が悪い、と言う訳ではないでしょうから、これは自分の立場は判って居るのでしょうね、と言う確認の意味でしょうか。
それに……。
確かに、俺とタバサに回って来た仕事はすべてガリア国内での厄介事。このハルケギニア世界にやって来て、色々な場所に行ったような気がしていたけど、ガリア以外の国の都市で足を運んだのは召喚の地トリステイン以外では、転移魔法で一瞬……ルイズたちを回収する為に一瞬だけ足を踏み入れたアルビオンただひとつ。
まして、九月以降はそのトリステインの魔法学院にも一度も帰って居ず、このままガリアの王太子とオルレアン家の姫を演じ続けるのなら、魔法学院に戻る事は不可能と成る可能性の方が高く成って来ました。
それに、タバサの事を庇護してくれていたオスマン学院長が解任されたのなら、尚の事、活動に制限が加えられる可能性も高いですし……。
其処まで考えてから、自らの右側に座るタバサに意識を向け、其処から、正面のホスト側のソファーに座るイザベラに意識を向ける。
そう、このガリア国内の厄介事のみに俺とタバサが当てられたのが、果たして偶然なのか、と言う疑問が発生しましたから。
タバサがトリステインに偽名を使って留学させられていたのは、要は旧オルレアン派の貴族。いや、レコン・キスタに繋がる貴族たちから彼女を護る為の処置だったのでしょう。
故に、公式の発表ではつい最近までオルレアン家のシャルロット姫の居場所は不明とされ、公の場に現れたのは、俺と共にヴェルサルティル宮殿の正面。噴水広場に馬車から降り立った瞬間が最初のはず。
ガリアの貴族たちには、レコン・キスタから護る為に、オルレアン家の姫も俺と同じようにマジャール侯爵の元に匿われていたと発表されて居ますし。
しかし……。
もしも、あの時期。五月から、六月の時期に俺とタバサにガリアから発せられる矢継ぎ早の任務がなければ、俺たちふたりは、そのままルイズたちと行動を共にしていた可能性の方が高いのでは……。
アルビオン行きでタバサがトリステインに取り込まれる事を危惧したこのおデコの広い姫さんが、集中的に厄介な事件を回して来て……。
其処まで思考が進み掛けて、しかし、矢張り首を振ってその考えを否定する。
何故ならば、それは余りにも陰謀史観的過ぎますから。
まして、ベレイトの岩塩坑道内でヘビたちの父イグが言って居ましたからね。オルレアンの人形姫とマジャールの蒼銀の戦姫は最悪の取り合わせだと。
つまり、タバサは俺と言う使い魔を得る以前にも、表の世界では行方不明でしたが、裏の世界ではそれなりに有名な存在だったと言う事。
そんな人間を遊ばして置く余裕などないは
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