第5章 契約
第85話 聖戦対策
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ンの魔将を式神に持つ彼女にかすり傷ひとつ負わせる事は出来なく成るでしょう。
タバサと同じような存在と成る、と言う事ですから。
こう言う状況下に置いて、増長し、破滅へとひた走る人間は確かに存在して居ます。
その上、そんな異常な存在を身近に置く事に因って、彼女自身が持つ異界の因子。彼女もおそらく夜の貴族の因子を強く受け継いでいるでしょうから、吸血姫として覚醒する可能性が高く成るのですが……。
もっとも、その事に付いてはイザベラ本人が判断をすべき事で有って、俺がアレコレ思い悩むべき事じゃ有りませんか。
それならば。
【湖の乙女。ダンダリオンの言うように、イザベラに危険な式神を渡して、その結果、自滅するような結末を辿る事がないと思うか?】
俺の判断では問題なし。ダンダリオンも、ソロモンの魔将を式神としてもイザベラは問題のない人間だと判断したのでしょう。
ただ、俺の判断力は自分の能力を超えたトコロでは発揮されません。ダンダリオンは効率重視。ならば、もう一人ぐらい冷静な判断を下せる人間の意見を聞いてからでも遅くはない。そう考えて、湖の乙女に【念話】にて問い掛ける俺。
まして、彼女は神話的にミーミルの側面も与えられて居るようですから。
常にオーディンの傍に居て、彼に助言を与えたのが賢者の神ミーミル。俺に顕われたルーンが本当にオーディンを指し示す生け贄に定められし者なら、彼女は俺に取っての相談役の可能性が高いはずです。
【問題ない】
視線は自らの膝の上に広げられた和漢に因り記された書物の上を上下させながら、意識の方は俺の問い掛けに対して答えを返してくれる彼女。
そして、
【今までイザベラが下して来た判断、及び行動に問題は感じられない。更に、あなたの召喚方法で結ぶ契約ならば、式神として召喚された魔将たちを真名で縛る類の契約でない以上、魔将たちが契約から解放される為に、イザベラの死を望む事も考えられない】
元々、個人の友誼に基づいた契約で有り、更に、頼む仕事毎に対価を必要とする契約だけに、真名で縛る類の契約と比べると緩い縛りしかないのですが、それ故に、式神を召喚する方の危険度も低く成るのが俺の行って居る契約の基本形。
式神の方に仕事を拒否出来る余地が有り、更に、その事に対して別に罰則のような物が発動する訳でもないので問題はないですか。
それならば。
居住まいを正し、自らの正面に座る少女を見つめる俺。
「姉上。姉上もシャルロットのように成る覚悟は御有りですか?」
タバサの時には分からなかった事実。ガリア王家……いや、多くのハルケギニア貴族の血の中に存在する吸血姫の因子は流石に厄介すぎる。
但し、故に同じ血を有する一族の結束は固くなり、更に、生涯の伴侶。夫婦の絆は
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