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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第85話 聖戦対策
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発目の王室よりの御触れとして、ガリアは神からの御告げに従い、聖戦には参加しないと言う情報を、それ専門の御触れ人が街々で告げて回る予定でも有ります。
 当然、新年のミサなどの説法の際にも、それぞれの司祭たちが神の御告げの話を告げるでしょう。

 ガリアのブリミル教の聖堂は、以前の聖戦の際に酷い略奪にあって居る聖堂が多いようですから、どう考えても、今回の夢の御告げは渡りに船だと思いますので……。
 神の名の元に暴虐の限りを尽くす軍隊から民が逃げ込むのは、大抵が聖堂。そして、余程、酷い人間でない限り、逃げ込んで来た民を追い出すような真似はしないので……。

 結果、逃げ込んで来た民もろとも、異教者や異端者として、処分された聖堂が多いようですから。

「それで、ガリア以外の国の動きはどうなっているのです?」

 民の方の意見は聖戦に参加しないガリア王家の意向を支持するでしょうし、貴族や新教の聖職者たちは間違いなく支持するでしょうから、国内の世論は問題なし。
 戦争を起こせば間違いなく雑兵として民が徴兵され、貴族に関しても兵を出す義務が発生するので、真面な人間ならば戦争が起きる事を喜びはしない……はず。

 少なくとも、千五百万人以上の意志が神の意向は聖戦を起こして聖地を奪還しろ、などと言って居ない、……と言う認識を持てば、今回ロマリアが仕掛けて来た呪いは対処可能だと思いますから。
 それに、このガリアに暮らすのは人間だけでは有りません。精霊たちの意志は初めから反聖戦で固まって居ます。ここに、聖地を奪還しないから精霊力の暴走が起きる、と言う論法の入り込む余地は何処にも有りません。

 そう考え、次の質問を行う俺。

「先ず、アルビオンとトリステインの戦争は今年いっぱいで終了。その時までトリステインがアルビオンに築いた橋頭堡を維持出来たのなら、トリステインに有利な形で。もし、追い落とされるような形となれば、戦後の形はアルビオンに有利な形で停戦条約が結ばれる事と成るだろうね」

 どちらにしても、双方とも今回の戦争に莫大な国費やその他を投入しているから、矢継ぎ早に聖戦に兵を出せるかどうかは微妙な所さ。
 イザベラに因る状況説明。
 確かに、戦争を終わらせるのは始めるよりもずっと難しい事なのですが、今回の場合はロマリアに因る聖戦の発動の詔が両国に取っては悪いタイミングでは無かったと言う事ですか。

 今はトリステインが有利に進めている戦争も、敵地。それも真冬の戦争で、物資の輸送も難しい浮遊島での戦争。こんな不利な状況下の戦争は有利な内に終戦に持ち込めた方が良いに決まって居ます。
 対してアルビオンの表向きの目的は聖地の奪還。その目的の為に、聖地に向かう軍隊の足掛かりとしてトリステインとの戦争に及んだのです。その目的の聖戦が始
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