オリジナル/未来パラレル編
第32分節 大樹除去作戦
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今日は、ユグドラシル・コーポレーションが主催する企業プレゼンの日だ。
字面はビジネスライクだが、アーマードライダーを擁する会社や組織にとって、これは決起集会であった。ヘルヘイムの植物の侵略をこれ以上放置しないための。
プレゼン会場である沢芽市民文化ホールには、もちろんガイムグループの咲、紘汰、ザック、さらには光実も参加していた。
《我々ユグドラシル・コーポレーションの長年に渡る調査と解析の結果、この大樹だけは通常のヘルヘイムの植物とは異なるものだと判明した》
講壇でスクリーンに映し出されたヘルヘイムの大樹について解説しているのは、貴虎その人である。
マイクとポインターを持つその姿に、在りし日の戦極凌馬が重なった。
《この樹をヘルヘイムの大樹と仮称するが、ヘルヘイムの大樹は、外界から飛来したヘルヘイムの植物が、漂着した惑星を覆い尽くすための、最後の一撃を与える役割を持っている。――そうだな、巨大なタンポポの綿毛と置き換えれば分かりやすいと思う。この“房”の部分が、種子を放つためのカタパルトとなっている》
赤いポインターが、ブロッコリーを思わせる大樹の房をぐるりと囲んで回る。
「――樹が育ちきったら地球文明終了のお知らせってわけか」
隣席のザックが茶化すように小さく口にしたが、彼の目は険しさを湛えている。彼とてその危険に挑む一人なのだから当然だ。
《ユグドラシル・コーポレーションは全力を挙げてこのヘルヘイムの大樹を駆除することを決定した。今回集まってくれた企業、団体、組織。皆が最後の人類を守る方針だとした上で話を進めたいが、いかがだろうか》
会場から賛成の拍手が沸き起こった。咲が見渡せる限りで、手を叩かない者はいない。
《では、大樹駆除のための作戦を説明したいと思う》
貴虎率いるユグドラシル・コーポレーションの開発研究部が立てた作戦は、以下の通り。
まず樹の根元を爆破し、地表から引き剥がす。
次いで紘汰や咲を含む各社の混成アーマードライダー部隊が、一度にライダーキックを叩き込んで大樹を丸ごと倒す。
倒した先には、貴虎率いる黒影トルーパー部隊が、あらかじめチューリップホッパーを総動員して巨大クラックを開けておく。
ヘルヘイムの大樹はクラックの中に倒れて種子がこちら側の世界に放たれることはない――という内容だ。
(急速に滅びないためだけの現状維持策。けどそれしかできることは残されてない)
説明が終わってからは質疑応答の時間となった。これには光実も手を挙げ、不明点を問うた。
《ガイムグループの高司です。混成部隊側の編成について質問ですが――、――》
婿養子だと知っていても、光実が呉島姓を名乗らないこ
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