第十話
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面に叩きつける。
「だから!私をバカにしてきた奴らに私の力を見せつける!絶対に!……貴方にはわからないよね、だって貴方には才能があったんだから……」
「それは違います!!」
と、その場に向かない優しい声が聞こえてきた。
この声は……
「アーシア……」
声が聞こえた方向を見ると、そこにはアーシアが立っていた。傍にはゼノヴィアもいる。
「済まないな、イッセー。アーシアがどうしても言いたい事があると言って聞かなくてな」
ゼノヴィアが俺にごめんと謝る。
それに関してはいい。でもなんでアーシアが……
「私は知っています……イッセーさんの力の根源を……イッセーさんはただ守る……その為に力を求めているんです。その為にイッセーさんはなんでもやってきました……私が見た時にはイッセーさんは血反吐を吐きながらも自身に鞭打ちながら修行を重ねていました……」
そうか、見られてたんだな……。
「アーシアの言う通りだ……俺には才能なんてこれっぽっちもない。才能が欲しいと思った時にはなにもなくて……すべてが終わった後に……俺はこの神器とドライグの存在に気づいた……」
『相棒……』
ドライグが俺を心配してくれている。
俺の両親が殺された時に俺はただ見ている事しか出来なかった。そして俺が目を覚ました時には……既に両親は事切れていた。
俺はそれに絶望し、力を望み……神器が顕現出来るようになったのとドライグの声が聞こえるようになった。
「俺には才能なんてないよ……むしろお前のそんな才能に嫉妬さえ感じる」
「なんでなの……なんでそこまで力を欲して……力に溺れなかったの?」
ヴァーリはわからないとばかりに俺にそう聞いてくる。
俺は自分の右手を見ながら答える。
「俺には守る存在があった……家、両親との思い出、母さんが残してくれたどうすれば料理が上手くなるのかとか、父さんが残してくれた男が絶対にやってはいけない事とか簡単な体術……」
そして今度は左手を見る。
「そして俺の家族になってくれたアーシアやアーシアとの思い出、ゼノヴィアとの出会い……俺には守る物がこんなに多い……だったらそれらを壊そうとする奴らが出てきた時に俺が守らないといけない……」
「………………」
ヴァーリは俺の言っている事を黙って聞いている。
「お前の望む強者ってのは……すべてを捨ててでも勝ちをもぎ取ろうとする奴らの事だ。俺はそんなの望んでない……俺が望むのは平穏だ。そしてそれを脅かす奴らを倒すには……力が必要だった……」
「イッセーさんは私たちを守ってくれているんです……だからこそ、私はイッセーさんを信頼するんです……ヴァーリさん、貴方もそうなんでしょう?イッセーさんのキスを通
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