反董卓の章
第24話 「……もう、決めたから」
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うに情報を遮断したのでしょう……袁術、いえ、張勲殿」
「…………………………(わなわな)」
儂は盾二の言葉に声が出ない。
なん……じゃと?
儂は、儂は漢に対する大反逆者になるところであったと言うのか!?
「貴女の狙いは美味しいところだけ持って行くこと。うまく董卓を討てればよし。袁紹の同族として袁術は確固たる地位を望める。もし反逆者となれば袁紹に罪をかぶせる。簡単だ……袁術殿はまだ子供同然。こんな子にそんな絵図を書けるとも思わない。どちらにしても漁夫の利だと、そう思いましたか?」
「……………………」
「え? な、七乃? どういうことじゃ?」
青い顔で俯く自分の臣下に、袁術は理由も分からず縋るしかない。
この様子だけで、袁術の嬢ちゃんがただ踊らされていただけなのは判る。
じゃが……
「臣下の罪は、主の罪」
「!?」
その言葉を発したのは、盾二だった。
「我々はこのままだと大逆臣となる。それを防ぐ方法は……首謀者の一人である袁術の首を差し出し、助命嘆願を願う。それもひとつの手ですね」
「ヒイッ!?」
盾二が、普段は使わぬ長剣を手に立ち上がる。
その様子に袁術は、怯えるように張勲に縋り付いた。
「やめ、やめてたもれ! わら、妾がなにをしたのじゃ! 七乃、七乃ぉ! たす、助け…………」
「お、お嬢様………………(ガタガタガタ)」
二人が震えるのも判る。
今、盾二は強烈な殺気を放っている。
下手をすれば、本気で盾二は二人を斬るじゃろう。
そして儂には……止める理由もない。
「い、いやじゃ……いやじゃ……し、死にとうない、死にとうないんじゃ……やじゃ、いやじゃ…………やじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「お、お嬢様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
二人は互いに抱きついて泣き喚く。
その姿は、まるで子どもそのものじゃった。
さすがに見てられぬと声をかけようと思ったのじゃが……
「待って」
儂より先に動いたものがいた。
「……雪蓮?」
それは儂が最もあり得ぬだろうと思っていた者。
この場で誰より二人を始末したがっていると思っている者。
誰であろう……孫策の嬢ちゃんじゃった。
―― 盾二 side ――
「……何故?」
思わず口に出していた。
雪蓮は立ち上がり、俺から袁術と張勲を庇うように立つ。
何故だ……何故庇う。
今、二人を処断すれば、労せず後の復活は成るんだぞ?
「……盾二。気持ちはありがたいわ。でもね……そんな詭弁で、わたし達の為に手を汚さないで」
「……!」
雪蓮の言葉に愕然とする。
俺は……俺はま
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