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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第313話】
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ルンって大変ですね」
「そうだねー。 まあ入部して毎日吹いてたら大丈夫よ。 ついでだから有坂くん、入部してみる? うちは基本有坂くんが男だからって無茶な事はさせないし、ナンセンスだもん」
「俺ですか? ……流石に勝手に決められる立場じゃないですからね。 代わりにセシリアとかどうでしょうか?」
そう言ってセシリアを紹介すると、流石のセシリアも驚きを隠せず。
「わ、わたくしですか!?」
「あぁ。 バイオリン弾けるって言ってたし、管楽器も出来ると思うんだが」
「や、やったことがあるのは弦楽器だけですわ。 ……管楽器は、見たことはありますが、やろうと思った事は一度も――」
「そうなのか? 案外似合いそうなんだけどな……フルートとかさ、セシリアに似合うんじゃないか? 何て言うか……深窓の令嬢ってやつかな?」
「……深窓の……令嬢ですか?」
「うん。 ……まあ何にしてもさ、愛があるならやってみなよ。 まずはホルンで!」
そう言ってさっきまで持っていたホルンを手渡すと、慌てて受けとるセシリア。
「そ、そうですわね! 愛をもって管楽器を吹いてみせますわ!」
意気込みはよく、マウスピースに口をつけようとするセシリア――だが。
「あ、マウスピース交換するよ。 はい、どうぞ」
「えっ? ……あっ……」
何故か取られたマウスピースを眺めるセシリア、それを気にせず、新たなマウスピースを差す部長。
……心なしか、さっきのマウスピースがよかったようにも見受けられるが――。
「……まあ良いですわ。 ……今さら間接キスなんかよりは、重ねる方が良いですもの」
「??」
部長さんは言ってる意味がわからず、疑問符を浮かべるのだが俺には意味が理解でき、全身の血液が沸騰する思いだった。
その後、セシリアもホルンの音を出すことに成功する辺り、俺なんかよりも彼女の方が才能があるだろうと再認識後、吹奏楽部を後にする。
「さて、セシリアとはここまでだな」
「そうですわね……。 名残惜しいですが、仕方ありませんわ。 ……このあとは美冬さんに未来さんも待っていますもの。 我慢致します」
「悪いなセシリア。 ……さっきの話だが、いつでも力になるから言ってくれよな?」
「えぇ。 ではヒルトさん、また後程……」
笑顔で見送るセシリアをその場に残し、俺は正面玄関へと向かった。
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