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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
17 悪の巣窟
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いって見過ごすわけには行かなかった。
スターダストはビルからビルへと飛び移り、目標の建物へと接近していく。
だがここでも驚きを隠せない。
まるで石でも蹴り転がしている程度の力で何メートルもの跳躍が出来る。
重量など感じない、体が軽い。
スターダストは正直、電波変換に恐怖を覚え始めていた。
もしこの感覚に慣れてしまえば、この世界から出られなくなってしまう。
これは自分だけに言える話題ではなく、電波変換出来る人間全てに言えることだ。
この力に依存すれば、間違いなく身を滅ぼす。
そんな予感が心の何処かに刻み込まれた。

「はっ!」

窓をすり抜けて3階の廊下へと突入する。
人気はない。
真っ暗で不気味で電気系統にトラブルが起こっているのか、バチバチとおかしな音を立てながら電灯が着いたり消えたりを繰り返す。
廃墟という言葉がよく似合う場所だった。
ゆっくりと足音を殺しながら捜索を始める。

「....」

3階は印刷室と給湯室、そして倉庫からなっている。
スターダストは最初に印刷室を覗いた。

「....契約書?」

そこには数世代前のコピー機が並んでいる。
数年前までは現役で会社のためにあらゆる書類を印刷し続けたエースたちだったのだろう。
だが今ではホコリをかぶり、見る影も無い。
そんな中、一番入り口の手前にあるコピー機だけは新品にも思えるほどに手入れがされていた。
そしてトレイにはつい最近印刷されたような書類がある。
Valkyrieの武器の購入契約書だ。
既に契約者がサインするだけという状態で、そこに列挙されているのは大量の銃火器の名称だった。
これでValkyrieがここに巣食っているのは確定したも同然だ。
スターダストは一番怪しいと思われる倉庫の方へと歩き出す。
だがその時、外から音が響いた。

「...お出ましか」

割れた窓ガラスからビルの玄関を見下ろした。
雨が本降りになっている中、玄関には黒のGT-R、そして大型のバンが停車していた。
Valkyrieがやってきたのだ。
中から誰が現れるかなどを見届けぬまま、スターダストは倉庫に突入する。
そこには大量のダンボールが積み上げられていた。
大きさは巨大なものから小さな小包サイズのものまで様々だが、どれも決まってValkyrieのロゴ入りだ。
スターダストは目立たなそうなところのダンボールを開いた。

「!?...これは」

中には禍々しい黒いチップがぎっしりと入っていた。
『ダークチップ』だ。
ネットサファーなら一度は聞いたことがある。
いや、普段ニュースを見ている人間なら一度は聞いたことがあると言い直すべきだろう。

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