異なる物語への介入〜クロスクエスト〜
遭遇2―Encounter2―
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面を天蓋としているため、基本的に偽物だ。だが、たまに《偽物の天体現象》が起こったりする層がある。
この三十一層はそんなものは無かったはずだが……。
直後。
「うわぁぁぁぁぁ!?」
「はわわわわわわぁっ!?」
絶叫の尾を引きながら、《ナニカ》が二つ落下してきた。
「ふぐっ」
「はうっ」
どさり、と地面に着陸したのは、二人のプレイヤー。
ひとりは、茶色い癖っ毛の男。緑色のバンダナを巻いているが、不思議とクラインの様なセンスの無さは感じない。むしろセンスがいいように思えてしまうのだから不思議だ。
もう一人は、長い水色の髪の少女。巫女服と陣羽織を組み合わせた様な不思議な格好だ。下敷きになった男との間に挟まれて、形を変えている胸が大きい。
「な!?」
「プレイヤー!?」
フレイ、カイともに武器を構える。カイは装備した刀を再び抜き放った。フレイは腰のメモリホルダーから、銀色のメモリを抜き出す。『メタル!』のサウンドと共に、トリガーメモリと《メタルメモリ》を入れ替える。すると、左手のリングは銀色に変わり、同時に《トリガーマグナム》の代わりに《メタルシャフト》という名の棍棒が出現する。
しかし――――
「うわわわわっ、待った待った!!」
バンダナの男が手をぶんぶん振る。
「え……?」
「敵じゃない!多分敵じゃない!!……ハクナ?頼むから早く退いて?」
「ふぇ?あ、はい!」
水色の髪の少女が、バンダナ男の上からぴょいっ、と退く。「いててて」と呟いて立ち上がった男は、予想したより背が高かった。童顔なので同年代かと思ったら、どうやら20に少し届かないくらいのようだ。
「ごめんごめん、なんかびっくりさせちゃったらしいな。俺はセモン。こっちの娘はハクナ」
「よ、よろしくお願いします……」
「は、ハクナだぁ……?」
青年……セモンと、少女……ハクナの自己紹介を聞いて、カイが頭を抑える。
「どうした!?」
「いや、なんでもない……知人のプレイヤーネームと同じだったから気がめいっただけだ……」
カイは肩を落とすと、「何でこんなところまで来て奴に束縛されにゃならんのか……」と呟いた。より正確には呟いた気がした。ハクナがおどおどとし、「あの、なんだかごめんなさい!!ごめんなさい!!」としきりに頭を下げている。
「とりあえず……セモン、だっけ?お前はどこから来たんだ?」
「ん?んー……多分ここSAOだよな?」
「おう」
「で、まだSAOはクリアされてない、と?」
「ああ。当然だろ?」
「あー……」
なるほど、とセモンが頷く。全然まったくなるほどらない。何がどうなのかさっぱりだ。
「いや、たぶん俺達二人はタイムスリッ
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