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少年と女神の物語
第四十八話
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ふ」

 俺はスクナビコナが雷を受けながら突き出してきた針を、わざと受ける。
 コイツにこの針でメッタざしにされたときに使えるようになった権能、もう既に発動条件はそろっていたのだが、それでも・・・一応、喰らっておく。

「この技、我をこの身に戻すためのもののようだが・・・何のつもりだ?」
「別に?ただ、この権能を使いやすくしたかっただけだ」

 ゼウスのあの技、小さいままでは鋼の神であっても一撃で体が消し飛ぶ。
 それを避けるためにも元に戻らないといけなく・・・そうなれば、この権能もあてやすい。
 コイツから、少しでも冷静さを奪う。

「我は我に仇なす力を許さない。我はその力が存在することを許さない」
「・・・キサマ、その権能は!」

 やっぱり、すぐに気付いたか。
 捜し人の力を、目の前で使われたら気付いて当然かもしれないけど。

「故に我はその力を破壊する。存在を許さぬが故に忌むべき力を破壊する!」
「止めぬか!その力を・・・我が友の力を、汝が使うでない!!」

 よしよし、冷静さを欠いてきた。
 後はこのまま・・・獲物を奪えば、かなり有利にことを進めることができる。

「我は今ここに、針の剣を、破壊する!」

 自分の腹に刺さった針を握りながらそう宣言し、その瞬間に針が砕け、消滅する。

 俺がシヴァから簒奪した権能は、シヴァが戦闘中にも使っていた『権能を破壊する権能』。
 といっても、シヴァが使っていたときや俺がコピーして使っていたときほど使い勝手が良い訳ではない。
 あの時は少しでもその権能で傷つけられていれば破壊することができたが、簒奪した権能は、一日以内にその権能で致命傷以上の傷を付けられていること、が条件として必要になってくる。
 他にも、その権能の持ち主である神についての知識も必要になってくる。

 だが、今回はあいつから何度もメッタ刺しにされたし、今も一度受けた。
 知識については、梅先輩から貰ったものがある。・・・使用条件は、完全に揃っていた。

「・・・・・・」
「さあ、どうしたスクナビコナ。鋼の神様が、まさかその程度で終わりなのか!」
(しもべ)よ!」

 俺の挑発を聞いていたのか、スクナビコナは神獣を呼び出す。
 そこにいるのは今までと変わらない。鳥獣に蛾、鬼の神獣だ。
 神鳴りももう収まってしまったので、コイツらは俺が自分でどうにかするしかないな。

「つっても、そこまで苦じゃないんだが、」
「武双君!」

 梅先輩に呼ばれてそちらを見ると、そっちに向かって行く鬼の姿が。

「っざけんなよ!」
「・・・武双君、神速の権能持ってましたっけ?」
「ないですよ。直線限定の、バネによる移動です」

 俺は蚩尤の権能でばねを作っ
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