暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第六十三話
[7/7]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
い。

「さっきまでは忙しくて聞けなかったけど……その装備、どうしたの?」

 確かに昨夜リーファとレコンと戦った時は初期装備だった俺だったが、今ではリズ制の武器とレプラコーンメイドのコートと着物になっている。レコンが不思議に思うのも仕方ないが……リズが作った武器はともかく、防具の方はどうやって説明したものか。

「……えーっと――――ッ!?」

 ――突如として俺が乗っていたカヤックの天地が反転する。レコンの質問に戸惑ってバランスを崩したわけではなく、カヤックが急激に裏返しとなったというべきか。

「……ョ――キ!?」

 リズの心配する声が水上から聞こえてくるものの、水中にいきなり飛び込んだショックで良く聞こえない。少量だったが水を飲み込んでしまったが、すぐ浮上しようと反転したカヤックに手を伸ばす……ものの、俺の身体はさらに沈んでいく。

 なぜなら、二人の青色の妖精――ウンディーネのプレイヤーが俺の足を掴み、さらに水底に沈めようとしているからに他ならない……!

 最初から彼らはこの水路に潜んでいたのだろう。俺たちのようなカモを見つけ、二人かがりで自分たちの得意なフィールドに引きずり込むために。……この水路の利用客が少なくなったのも、そのためか。

 激流の中俺は何も見ることは出来なかったが、ウンディーネの二人は正確に俺の足を掴んで水底へと案内していく。どんどんと手を伸ばしていたカヤックから離れていき、もはやどうやっても届かなくなってしまう。さらには日本刀《銀ノ月》やクナイ、足に仕込んだ足刀《半月》などの豊富な武器が逆に仇となってしまい、俺が沈んでいくのがさらに早まっていく。

「…………!」

 ……そしてウンディーネの拘束から逃れようと暴れた結果として、自分の身体に残された酸素を使いきり。水が身体に侵入して来るとともに声にならない声をあげながら、抵抗することが出来ずに俺は水中へと没していった。



[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ