第六十三話
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い。
「さっきまでは忙しくて聞けなかったけど……その装備、どうしたの?」
確かに昨夜リーファとレコンと戦った時は初期装備だった俺だったが、今ではリズ制の武器とレプラコーンメイドのコートと着物になっている。レコンが不思議に思うのも仕方ないが……リズが作った武器はともかく、防具の方はどうやって説明したものか。
「……えーっと――――ッ!?」
――突如として俺が乗っていたカヤックの天地が反転する。レコンの質問に戸惑ってバランスを崩したわけではなく、カヤックが急激に裏返しとなったというべきか。
「……ョ――キ!?」
リズの心配する声が水上から聞こえてくるものの、水中にいきなり飛び込んだショックで良く聞こえない。少量だったが水を飲み込んでしまったが、すぐ浮上しようと反転したカヤックに手を伸ばす……ものの、俺の身体はさらに沈んでいく。
なぜなら、二人の青色の妖精――ウンディーネのプレイヤーが俺の足を掴み、さらに水底に沈めようとしているからに他ならない……!
最初から彼らはこの水路に潜んでいたのだろう。俺たちのようなカモを見つけ、二人かがりで自分たちの得意なフィールドに引きずり込むために。……この水路の利用客が少なくなったのも、そのためか。
激流の中俺は何も見ることは出来なかったが、ウンディーネの二人は正確に俺の足を掴んで水底へと案内していく。どんどんと手を伸ばしていたカヤックから離れていき、もはやどうやっても届かなくなってしまう。さらには日本刀《銀ノ月》やクナイ、足に仕込んだ足刀《半月》などの豊富な武器が逆に仇となってしまい、俺が沈んでいくのがさらに早まっていく。
「…………!」
……そしてウンディーネの拘束から逃れようと暴れた結果として、自分の身体に残された酸素を使いきり。水が身体に侵入して来るとともに声にならない声をあげながら、抵抗することが出来ずに俺は水中へと没していった。
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