第六十三話
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だった。俺にはダンジョン内の川にでも繋がっているのだろうか、という予測しか成り立たない。
「どう、ショウキ?」
調べるのに手間取っていたからか、リズとレコンもダンジョンの入口からこちらの穴へと飛んで来る。ちょうど良いとばかりに二人にも調べた結果を説明すると、途端にレコンが目を輝かせた。
「これ聞いたことあるよ! ウンディーネの《渡り川》!」
「……はい?」
また出て来た進出単語に俺とリズは首をひねり、アルヴヘイムに詳しいレコン先生の講義が再開される。ウンディーネというと、回復魔法と水中の行動にペナルティーを持たない種族で、混合種族パーティーではその回復魔法によって、必須に近い扱いを受けているらしい。反面、種族としての戦闘力はサラマンダーやシルフには劣り、水中という独壇場も活かしにくいことからか、世界樹攻略は一歩劣っている種族。
この穴はそのウンディーネと、採掘に秀でたノーム――こちらも同じく世界樹攻略には一歩遅れている――が協力して作った、世界樹への直通水路なのだという。大型ボスがいる水路へと入らなければ、ダンジョンアタックをすることなく世界樹の方へ行ける、という場所らしいが……世界樹攻略をメインに活動していない為か、あまり利用者も知名度も多くはないようだ。
しかし、そんな事情があろうと関係なく、今の俺たちにはその水路はありがたい存在。まずは俺が穴に飛び込み、安全性を確認しながら着地する。
「……っと。二人とも、大丈夫そうだ」
思いの外、穴から着地まで高かったからか少し驚いてしまったが、特に入った瞬間にウンディーネのプレイヤーに襲われるようなことはなく、モンスターが襲撃する気配もない。目の前には激流と言って差し支えない川が広がっており、俺が着地したのは申し訳程度の岩で作られた陸中だった。
「さて……」
激流を眺めていたが、そろそろかと思って数歩下がってキャッチする準備を整えると、リズが悲鳴とともに良い感じに腕の中に収まってくれる。大方、レコンより速く勇んで飛び込んだは良いものの、舞い上がるスカートを掴んでバランスを崩したのだろう。
「ありがとう……って言いたいところだけど。なんでキャッチ出来たの、あんた」
「リズなら来るだろってな」
……小さくなったからキャッチしやすかったし、というセリフは飲み込んでおくとしよう。そして俺たちの後ろにレコンが着地した……と見せかけて転び、俺がリズを岩場に立たせて完了だ。
「だけどレコン。こんな激流、渡れそうにないが」
尻餅をついたままのレコンを助け起こしつつ、髪の毛を掻いて激流を再び眺める。水中ならば自在に行動が出来るウンディーネならともかく、この激流をシルフとレプラコーンが泳ぎきれるとは思えない。
「それな
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