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駄目親父としっかり娘の珍道中
第51話 結局子供は親が好き
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 それからすぐ後に銀時は地に伏せ、汚い血の溜まりの中で動かなくなってしまった。
「俺より強い……か。どうやらこれで俺もあんたに認められたって事だろ? 嬉しいねぇ〜」
 勝利の笑みを浮かべながら似蔵は再度容器を鼻にあてがい2、3度容器をプッシュした。そして、容器を懐に仕舞おうとした。
 誰かの手が容器を掴んだ。ゴツゴツした男の手だった。その男の手の感触を感じた際に、似蔵は焦りを覚えた。
 まさか、そんな筈は!
「どしたぁ? 俺が切り殺される妄想でもしてたのか?この通り俺は生きてるし、ちゃんと両腕揃ってるぜ」
「な、何故! ……ぐぅっ!」
 焦りのまま再度似蔵は刃を抜き放った。その際に似蔵は感じた。刀身に重みを感じない事に。そして、すぐに気付いた。刀身が根元から叩き折られているのだ。
 これでは幾ら居合いをした所で人など切れる筈がない。
「まさか、あの一瞬で……」
「あぁ、そう言えば一つ良い忘れてたわ。家の娘欲しいってんなら職を選べ。悪いがてめぇみてぇな薄汚れた野郎に―――」
 木刀を振り上げつつ銀時は語る。背後から殺気を感じ、似蔵が振り返った時には全てが遅かった。
「家の大事な屋台骨を渡す気は一切ねぇっ!」
 衝撃と轟音が辺りに響き渡る。一瞬、一撃で似蔵の脳天に木刀の一撃が叩きつけられ、そして地に伏せた。最早似蔵は微動だにしない。そんな似蔵を確かめることもせず、銀時は木刀を納めた。2,3歩進んだ辺りで背中を向けつつ銀時は似蔵に言葉を贈った。
「もちっと魂洗って出直して来いや。そんなう○こ色の魂じゃ誰にももてねぇぜ、おっさん」
 その言葉を聞いているかいないか。そんな事銀時には関係なかった。今、銀時が大事にしなければいけない事。それは先に行った新八達の後を追うことだからだ。




     ***




 賀兵衛に逃げ場は無かった。上に逃げたは良かったが、既に手勢は使い果たし、身一つで逃げていたのだが、上に逃げ場はなく、結局屋上に追い詰められる結果となってしまった。
「ちっ、どいつもこいつも使えぬ輩ばかり……ぬっ!」
 背後に目をやる。其処には忌々しいお房が居た。この女の為に橋田屋は汚されたのだ。忌むべき女だ。
 賀兵衛の憎しみにも似た射殺す目線がお房に突き刺さる。そんな視線を一身に浴びながらも、お房は一歩ずつ前へと歩み寄った。その度に賀兵衛は一歩ずつ下がる。
「く、来るな! この性悪女め! 誰にも渡さんぞ! 橋田屋はワシだけの物じゃ! 誰にも渡さん!」
「そんな物いりません! 私にとっては、橋田屋なんて店も看板も要りません! ただ、勘太郎様との間に生まれた勘七郎を返して欲しいだけなんです!」
「ふん、口からでなら幾らでも綺麗事を言えるわ!」
 賀兵衛はお房の言葉を信じる気になれなかった。この女
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