第六話「ファーストコンタクト」
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は新大陸からやってきた!」
智樹がひとりズッコケタ。
「せ、先輩、言うに事欠いて新大陸はないですよ」
「なにをいう智樹。これだけの証跡があるんだ。むしろ新大陸以外は考えにくい」
「馬鹿だ、馬鹿がおる……」
地面に手を膝をつけて項垂れる智樹。
イカロスたちは頭に疑問符を乱舞させていた。
「それで、どうなんですか……?」
異様な空気を纏いながらじりじりと近寄ってくる英四郎。
メガネのブリッジを押し上げながらにじり寄ってくる英四郎の背後に『ドドドドドドドドド』と効果音が文字となって見えてきた気がした。
しかし、甘いな……。
久しぶりの下界にテンションが上がっている俺にはその程度の威圧感など無いも同然。
今の俺はまさに、鳥篭から解き放たれた一羽のツバメなのだから。
テンションが天元突破な俺は衝動に任せるまま行動を開始した。すなわち――。
「……ふっ」
くるっと背中を見せた俺は爪先立ちになりながら振り返り、上体を弓なりに反らして指を突きつける。
ジ○ジ○的な立ち姿で一言。
「貴様、見ていたなッ!?」
引っ叩かれました。
クワトロアクセルの如く、クルクルクルと面白いほど回転した俺は無様に地面に倒れる。
「な、なじぇ……?」
引っ叩いた張本人であるタナトスさんはニコッと聖女のような笑みを浮かべた。
「いえ、こうしなければいけない気がしたもので」
異世界のどこかにいるお母様。ネタが通じないのって結構苦痛なんですね……肉体的に。
「そうか……! やはり新大陸はあったんだなっ!」
そして、眼前での出来事など些事とでも言うように一人盛り上がる中学生。
「でも、新大陸なんてどこにあるんだ?」
頭の後ろで手を組んだ智樹が聞いてきた。
英四郎も爛々と輝く目でこちらを凝視している。
「んー。言ってもいい、というか招待してもいいけど……まあ、また今度な。やることが少なからずあるから俺たちはこの辺で失礼するよ」
住民登録や衣食住の確保とかね。
「積もる話は次回会ったときにでもしよう。では、アデュー!」
ぽかんとしている智樹たちを取り残し、イカロスたちを連れてその場を去る。
――さあ、まずは市役所だ!
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