第六話「ファーストコンタクト」
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は原作主人公、桜井智樹が中学二年生の時期だ。新大陸の発見を熱望する守形英四郎の指示により、彼の地の反応を示した大桜が生えた神社そばに向かうように指示を受け、そこで天から落ちてきたヒロインイカロスと邂逅する。
学生服姿を見たところ中学生の様子。どうやら原作開始時期に近いようだ。
振り返る。桜が咲き誇った大きな木が見えます。
はい、原作開始ですね。
「うぉっ、美人……それにコスプレ姿も超似合ってるし」
桜井智樹がイカロスたちに感嘆の声を上げる。エロエロな顔でないところを見ると、純粋に見とれているようだ。
メガネを中指でくいっと押し上げた守形英四郎がジロジロと俺たちに視線を這わせる。
「……常に移動していた『穴』が突如停滞し、消えた……消えた場所には見たことのない人が七人……。これは偶然か……?」
ぶつぶつと呟いていた守形英四郎は頭を振ると、見とれていた桜井智樹の頭を叩き正気に戻す。
「突然すまない。俺は守形英四郎という。美空中学三年で新大陸部の部長を務めている者だ。こちらは後輩の桜井智樹」
「あ、っと、どうも」
礼儀正しく頭を下げる守形英四郎――英四郎につられ、智樹も慌てて頭を下げた。
いつでも動けるように身構えていたイカロスたちに軽く手を上げて警戒を解くようにサインを送った俺も自己紹介する。
「丁寧な紹介痛み入る。俺はアルカインだ。こっちがイカロスとアストレア。後ろがタナトス、ニンフ、リリア、ミリアという」
イカロスたちも軽く頭を下げた。
「それで、なにか俺たちに聞きたいことでもあるのかな?」
「……なぜ、そう思ったのか聞いても?」
「なに、一見冷静に見えるが、君の瞳から好奇心の色がチラチラ見えるからね」
「…………では、率直に窺います」
再びメガネを押し上げた英四郎は切れ長な瞳を向けてきた。とても中学生とは思えない眼光だ。
「あなたたちはこの町の人ではないですね? 美空町は人口が少ないためほとんどが顔見知りです。あなたたちのような人がいればすぐにでも気がつく」
「……」
腕を組んで某探偵のように持論を述べる英四郎を見やる。
「そして、先ほどまで観測していた未知の『穴』が突如消失した場所にあなたたちがいた。しかも全員の背中には翼がある。これらのことから導かれる答えはただ一つ」
ゴクッ、智樹とアストレアが息を呑む。智樹はともかくアストレアまで英四郎の醸し出す空気に呑まれるなよ。これからはバカの申し子って呼ぶぞ?
メガネをキランと光らせた英四郎はびしっと指を突きつけた。
「あなたたち
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