第五十八話 活動再開その十
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「その閃きがよくて」
「しかも実現させられるのがね」
「いいんだよな」
「あの人が部長さんでよかったわ」
「本当にな、そう思うよ」
美優もまた言うのだった。
「あの人ならではだよ」
「軽音楽部も上手くやっていけているな」
「ただ、私達がね」
琴乃は部長の凄さを感じながらだ、ここでだった。
自分達、五人以外の一年生全員を頭の中で見て回ってからだ、四人に対して考える顔でこう言ったのだった。
「どうもね」
「部長さんみたいになれるかよね」
景子が応えてきた。
「私達が二年になった時に」
「なれるかしら」
琴乃は眉を顰めさせて言った。
「部長さんみたいに」
「副部長さんも書記さんも凄くて」
景子はいつも部長をサポートしている二人のことにも言及した。
「他の先輩達もね」
「二年の人達皆立派じゃない」
琴乃はこうも言った。
「何だかんだでね」
「私達が二年になった時にああ出来るのか」
「それが不安だけれど」
「特に部長さんよね」
彩夏も彼女のことを言う。
「あの人みたいにはね」
「なれないでしょ」
「絶対に無理よ」
彩夏は完全に無理だとだ、匙さえ投げた。
「あの人達みたいになれるのは」
「そうよね、どう考えてもね」
「私達なんていい加減だから」
だからだとだ、また言った彩夏だった。
「一見いい加減でもしっかりしてる部長さんみたいにはね」
「無理よね」
「そう思うわ、とてもね」
「そうよね」
「へこむよな」
美優も笑えなかった、溜息混じりに言うだけだった。
「そういうこと考えると」
「そうよね、ちょっとね」
「本当にあたし達どうなるんだろうな」
美優は食べつつ言った。
「二年になったら」
「わからないわよね」
里香もこのことについてははっきり言えなかった、いつもはこうした時には四人に智恵を出してくれる彼女でもだ。
「そこは」
「そうよね、怖いわよね」
「私達が二年になった時はどうなってるか」
「後輩の娘をいじめるつもりはないけれど」
琴乃はこれはしないつもりだった、今の二年生もそうだが彼女もだ。
「それは絶対にしたらいけないことだから」
「それでよね」
「あの人達みたいになれるとは思えないから」
「とてもね」
「そう、だからね」
それでだと話してだった、五人は。
そうしたことを話してだった、何とかだった。
昼食を終えた、しかし五人共気は晴れなかった。部活の時にはかなり気持ちが戻っていたがそれでもまだ引きずっていた。
部活が終わってもだった、五人は自分達が二年になった時のことを思うと不安だった。しかしその次の日の部活にだった。
その他ならない部長が部活がはじまる前に部室でだ、プラネッツの五人を呼び止めてこう
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