ブラック生徒会
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、とは言っても今のこの仕事量は明らかに異常だけどね」
そこで機を見計らったように楯無が言葉を継いだ。彼女の手には折りたたまれた扇子が握られている。
「どういうことですか?」
「本来なら、こんな書類はそもそも無かったんだけどね。少しイレギュラーなことがあって、ね……」
すると、楯無の持っていた扇が開かれた。そこには、「衛宮切嗣」と書かれていた。
原則として、ISのコアの所有権は国家にある。例えば、一夏やセシリア達は自分たちが帰属する国家からインフィニット・ストラトスを貸与され、その貸与期間は学園に居る間は保障されるが、卒業後は定期的に更新していく必要がる。そして、貸与の終了は国家からの貸与継続が認められなかった場合とコアの所有者の死亡による。
ところで、今回の件で切嗣が死亡されたとみなされたとき、彼が所有していたISのコアはいったいどの国に返還されるのだろうか。日本、と言えれば話はこじれない。言えないから拗れているのだ。確かに、切嗣はこの学園に入学する際に秘密裏に日本国籍を取得している。が、実はそのコアの所有権までは確定していなかった。最初、未知のISに対する不安から慎重論が支持され、切嗣のもつISと酷似した国がその所有権を責任をもって得るとされていた。期間は三年として、それまでにISの解析を終わらせ、その帰属も確定させれば良かった。しかし、それは切嗣の失踪によって破綻した。今や、どの国が切嗣のISを引き取るかで議論が紛糾している。
しかしだ。ぶっちゃけた話研究の為にシルバームーンのコアを引き取りたいという国が無かった。篠ノ之束がアンノウン判定を下したコアを解析できるとは、多少の理解があれば即座に無理と返す世の中なのだ。コアとしては一級品だが研究にも実践にも使えず、あまつさえ研究成果が上がらなければ無能のそしりを受けることになる。引き取っていいことが殆ど無いのだ。そこで、いっそうのこと学園が管理してしまった方がよいのではないか?と言うのが、妥協の末たどり着いた結論だ。結論としては悪くない。だが、受け入れる方としてはたまったものでは無い。必要な書類から手続きまで、学園が……というか生徒会長がすべてやる羽目になったのだ。各国からの承認を得て、代表の視察団を迎え入れてet cetera……
「まあ、つまる話が未知のISを管理できるだけの備えがありますよ〜ていう事を文面にして各国に送り付けているところなの。この書類のほとんどはそれ」
長い楯無の説明が終わった。
「何て言うか……お疲れさまです」
流石に、話の規模の大きさに圧倒されてしまったのか一夏はただ頷くばかりだった。
「でしょう?流石に私も疲れました……そろそろ休け……」
今までの話が本当ならもう休んでもいい頃合いに見える楯無だが、「休憩したい」と最後
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