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しるし
第四章
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第四章

「それ以外はイケメンだし背は高いし性格は男らしくて」
「うん」
「しかも何をやっても器用だしね。自慢の旦那よ」
「私もそういう人に出会えるの」
「その痣は月の神様が護ってくれてるって証よ」
 母と同じことを言ってきた。
「だからね。そのことは安心していいわ」
「わかったわ。それじゃあ」
 またその痣を見ながら叔母の言葉に頷く。
「そうした人に出会えるのを楽しみにしてるわ」
「絶対にね」
 叔母との話で気持ちが完全に楽になった。何故あるのかということがわかってしかもそれでいいことがあるとも言われて。気が楽になった彼女はそれからさらに明るくなった。その明るさは周りの評判になっていった。
 それは成長してから、学生から働くようになってからも変わらなかった。そうして勤めていた会社で素晴らしい人に出会い結婚することになった。彼は美月が見たこともないような人間で性格は仏のようだった。外見も穏やかでとてもいい印象を与えてくれるものだった。
 その彼と出会ってからはすぐだった。結婚して一生を共に暮らすことになった。彼女はまず男の子を産んだ。そして暫くして二人目を妊娠した。この時に彼女は夫に言うのだった。
「女の子だったらね」
「何かあるの?」
「ほら、これ」
 ここで自分の右手のその三日月の青い痣を見せる。
「この痣だけれど」
「その痣がどうかしたの?」
「結婚する時に話したわよね」
 彼女はこのことには遠慮せず全てを話したのである。
「私の家系にその兄弟で一人、女の子に絶対に出る」
「その痣だね」
「そう、この痣よ」
 痣を見せながら話を続ける。
「若し。今度生まれるのが女の子だったら」
「出るかも知れないんだね」
「ええ。楽しみにしてるといいわ」
「三日月の幸せの痣」
 美月はその痣をこう呼んだ。
「この娘が女の子だったらひょっとしたら」
「出て来るのかも」
 二人でそのことを考えていた。そうして子供が生まれた時だった。
「どうだったの?」
「男の子か女の子かってこと?」
「ええ。どっちなの?」
 美月は最初に夫にそのことを尋ねた。
「男の子なの?女の子なの?」
「女の子だよ」
 夫は笑顔で妻に告げた。
「ほら、ここにいるよ」
「あっ、そうね」
 美月は今産後の床にいた。白い病室で同じく白いベッドの中に横たわっている。出産でかなり疲れているがそれでもしっかりしていた。夫とも話すことができた。
「この娘に」
「痣だけれど」
「わからないかしら」 
 出産の時はいささか難産でそれを確かめるどころではなかったのだ。それで今夫にそのことを尋ねているのである。
「あるのかどうかは」
「あるよ」
 しかし夫は妻にこう答えたのだった。
「痣はね。ちゃんとね」
「ある
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