第四十七話
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と、それ以外であんたが訪れていた場所は全て、あんた自身に関わる場所。俺にあったことで、あんた自身の力を高めるために訪れていた土地のはずだ。実際、今のアンタは初めてあったときとは比べ物にならない」
「だから、どうした。我が正体、見破ることができたのか?」
そう言いながら、神は獲物を構える。
それは間違いなく俺をメッタ刺しにした武器で・・・コイツ自身の正体を暴く、絶好の鍵になる。
「その細長い武器、珍しいよな。その見た目から考えても日本の神様なのに、そんな武器は日本にはない。じゃあ何故、あんたがそんなものを持ってるのか・・・」
「口が動きすぎだ、神殺し」
こちらに向けて何度も突き出してくるその武器を、蚩尤の権能で作り出した盾で防ぐ。
同じ鋼の力で作った武器でありながら、こちらの盾が一方的に壊されていく光景に、背筋が冷えた。
「そこで、アンタのせりふについて考えてみる。確か、言ってたよな。会うのは三回目だって。でも、俺の記憶ではあの時点でアンタに会ったのはまだ二回目のはずなんだよ」
「では、我の勘違いかも知れぬな」
「いや、あんたは間違えてないよ。俺が、怒りで自分の感覚にも気付かないでいただけだ・・・ちゃんと、あんたは川にいたんだから」
俺が大量の鬼相手に大立ち回りした川。
上流から流れてくるには、間違いなく不自然なものが二つあった。
「そうだろ?自分が打ち倒した鬼に見守られながら、間違いなくあんたはお椀の船で川を流れてたんだ」
「二度も言わせるな。口が過ぎるぞ、神殺し」
その瞬間に俺の盾が完全に壊れ、神の持つ武器が腕を掠める。
「となれば、あんたが探してた神も分かってくる。国を作った神。大黒天と同一視されることによって、同じく大黒天と同一視されるシヴァとも同一視されている神。・・・アンタが国づくりを手伝った神を捜しているんだろう?」
「・・・そうだ。我は、我が友の光臨に伴い、この地に現れた」
よし、梅先輩の霊視は間違っていない。
「山を訪れていたのは、国づくりにおいて、山と言うのは大きな意味を持つことが多い。噴火によって新たな土地ができるように、山そのものに国づくりの力もある。椅子代わりにして休む、何てのもあったな。・・・だから、国づくりの神は山と深い縁をもつんだ」
「それゆえに、我は山をめぐった。友に会うために」
「アンタがその友の従属神とならなかったのは、今回のアイツは・・・大国主は、シヴァとしての属性を色濃く持って現れた。だから、アンタはつられて現れながらもまつろわぬ神として現れた」
アイツは間違いなく、シヴァだった。
自分の中にある名のひとつを名乗ったのではなく、ほぼシヴァであったからその名を名乗ったんだ。
「・・・汝、何故そのよ
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