第四十六話
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たかったのですが、私はそのころ、偽名で学校にいました。目立たないように、身だしなみにも一切気を配っていない・・・そんな身であなたと仲良くなれると、思えませんでした」
・・・確か、そのころ、俺が入学して一ヶ月だったと思う。
「だから一度学校から抜けて、私は委員会に頼みました。接触を試みるから、本名での転校をしたい、と」
もちろん、それは簡単に許可されなかったであろう。
だが、それでも・・・
「私は数日の時間を要して許可を勝ち取り、その足で髪を整えてもらい、あなたに会う準備を整えて・・・再び、転校しました。すごいですよ、たったそれだけのことで、誰も私だとは気付かなかったんですから」
そこまでか・・・それは確かに、すごいな。
「そしてそのまま、もう一度武双君に会おうとしましたが・・・とても、無理でした。会う理由がなかったんですから。あなたとあっていた私は、今の私ではない・・・そう、ようやく気付いたんです」
俺は、そういわれても間違いなく気付かなかっただろう。
実際、言われた今でも信じられずにいるんだから。
「・・・それで、自分が転校してきた目的をあなた方神代家の方々に話す、そんな手段をとったんです。その時には、何が何でもと言う考えが強すぎましたね」
それで、あんな謎な行為をしてきたのか・・・
「それで、あなたと話すようになって・・・同じ生徒会で活動して、生徒会の仕事、と言う名目で町で買い物をしたりして・・・デートみたいで、楽しかったです。たまにクラスの人とかがあなたのことを話してるともやもやして・・・知らないかもしれないですけど、武双君も学園の中で人気があるんですよ?」
涙を流しながら笑い、そう話してくれる梅先輩は、とても綺麗で、始めてみる可愛らしさがあった。
「武双君がカンピオーネになったと聞いたときには、心底驚きました。そして同時に、嬉しい気持ちと、心配な気持ちが浮かび上がったんです」
そのとき、梅先輩はどう思ったのだろうか・・・
「これで、私の任務はあなたの監視に移る、そう喜んで・・・同時に、あなたが常に死と隣り合わせになったことに、とても心配しました」
ですから、と。だいぶ前から混ざっていた嗚咽をさらに強くして、梅先輩は言ってくる。
「ですから、出きる限り私に心配させないでくださいッ。そんな体で、か、神と戦うなんて・・・言わないでください」
梅先輩は再び、唇を重ねる。
「私があなたの傷を治しますから。天啓で得た知識もあげますから。せめて・・・せめて、万全の状態で、行ってきてください・・・私にも、手伝わせてください。絶対に負けないのなら、私に・・・私に、それを見届けさせてください・・・」
俺は、これ以上そんな梅先輩を見
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