第四十六話
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以上、アテにヘルプを頼むわけにも行きません。疲れてるんですから、ゆっくり寝ていて欲しいですし」
「ですが、それではあなたが・・・」
「俺は、大丈夫です」
もう一度、今度は槍を杖代わりにして立ち上がり、うずくまっている梅先輩を見る。
「絶対にあの神を殺して、馬鹿みたいな被害と引き換えにこの国を守ってやります。ですから・・・心配、しないでください」
「・・・・・・でしょう」
俺の言葉に対し、梅先輩は小声で何か言った。
「・・・・・わけないでしょう」
「・・・えっと、なんで」
「心配しないわけないでしょう!好きな人が、そんな状態で神と戦うなど!」
そう言いながら梅先輩は立ち上がり、俺の唇に自分のそれを重ねる。
俺は今の体でその衝撃に耐えられるはずもなく、そのまま押し倒される形になり、梅先輩は唇を離して、俺に跨る形になる。
「えっと・・・」
「・・・私は、あなたのことが好きです」
何を言い出したのか、分からなかったが・・・俺の頬に落ちてくる梅先輩の涙に、何もいえなくなった。
「当然ですよね。あなたが中学二年のときから、ずっと同じ生徒会にいて、今までの人生で一番話した男子なのですから。そんな感情が生まれてもおかしくない。自然、といっても問題のないことです」
確かに、俺が生徒会に入ったのもこの人に誘われて、だからずっと梅先輩は同じ生徒会にいた。
神代家の監視が目的で来たこともあって、俺はこの人と話す機会が多かったと思う。
「そうじゃなくても、武双君はずるかったです。媛巫女として育てられたせいで常識のなかった私は、転校当初、全く周りになじめずにいました・・・」
それでもすぐに生徒会長になれたのは、なぜだろうか・・・
「それで一人でいた私に、あなたが始めて声をかけてくれたんですよ・・・?」
・・・はっきりと覚えは、ない。
それでも、心当たりなら・・・ある。
「出きる限り目立たないように、一人でいた・・・周りが近づきづらいようにしていた私に、あなたは何のためらいもなく話しかけてきて・・・」
一人で、中庭で弁当を食べている人がいるのを、見つけたんだったか。
ある日から毎日、必ず一人で食べている梅先輩が・・・俺には、ウチに来たばかりのころの妹が、重なったんだ。
「ただでさえ監視するためにいた人に、そう簡単に仲良くするわけにも行かず・・・私は、ずっと無視していました。なのに、あなたは気にせず、何日も話しかけてきてくれて・・・気がつけば、私はあなたに恋をしていました」
それでも、一度も話をしてくれなかったと思う。
それどころかある日を境にいなくなって・・・学年は特定できたから、調べてみたら、転校したことになっていた。
「仲良くはし
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