06:《人類至上主義教団》VS《黄昏の君主》
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れば、大規模な都市、小規模な国家……たとえばアルディギア程度なら壊滅させることができる。
背徳の街に罰を。
ジャックは、爆発物を取り付けに行った仲間をコールする。
……しかし、いつまでたっても電話の向こう側の相手が出ることはない。
「……おい?」
呼びかける。すると、受話器の向こうから聞きなれない声が聞こえた。
『ああ、《教団》の方ですね?』
「……何者だ」
「通りすがりの吸血鬼です」
はっ、と後ろを振り向くと、ジャックが立っているところのちょうど反対側に、黒髪の青年が立っていた。両目が赤い。吸血鬼だ。その足元には、爆弾を取り付けにいかせた仲間が転がっている。
「……殺したのか?」
「いいえ。今殺しても意味がないので放っておきました」
ジャックは多少驚く。つまりそれは、獣人を超える戦闘力をもつ教団の戦闘員を、手加減して倒した、という事に他ならない。
「面白い――――やれ!」
ジャックが命令を出すと、仲間たちが男に飛び掛かる。すばらしいスピードだ。どんな魔族でも対応は出来まい。
だが――――
「……人間とは、儚いものです」
青年は呟く。
「どれだけ高度な技術があっても、どれだけ強力な魔術が操れても――――生身では、真祖一人にすら勝てない」
そして青年の体から、血の様な瘴気が立ち上る。それは《ナニカ》を形作り――――
「『やきつくせ、《ムスペルヘイム》』」
業炎と化した。一瞬にして教団戦闘員が吹き飛ばされる。その前面は、ひどいやけどを負っていた。
「な……んだと!?」
ジャックは絶句してしまう。
「ふざけるな……!貴様は、貴様は何だ!?」
絃神島に、これほどの力をもった吸血鬼がいるなどと聞いていない!ジャックが叫ぶと、しかし青年はあくまでも穏やかに、しかしこちらに絶望を感じさせるには十分な気迫を漂わせ、名乗った。
「お初お目にかかります。我が名は暁魔城――――旧くは《番外真祖》、”黄昏の君主”と呼ばれておりました。以後お見知りおきを――――もっとも、すぐに無意味になりますがね」
***
那月は奇妙な波動を感じて、キーストーンゲートタワーを見上げる。今感じた波動の主な成分は、魔力でも、霊力でもない。神気だ。
魔力と霊力は相反する存在だが、神気はまたそれとは別次元の存在だ。本来発揮できるものではない。第四真祖の監視役に送り込まれてきた少女の持つ槍などは、それを発生させられる数少ない人工物だ。
加えて今、同時に吸血鬼特有の魔力波動も感じた。本来共存するはずのない魔力と神気が共存する――――
「……何が起こっている」
那
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