暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド〜魔界城の主〜
06:《人類至上主義教団》VS《黄昏の君主》
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「……」
「……どうした?」
「いえ、前回のテロ未遂の現場検証の際に、奇妙な男が来まして、捜査に一役買ってくれたものですから……また来てくれないものかと」
「……部外者に介入させたのか」
「いえ、それが……あの男、(あかつき)魔城(まじょう)と名乗りましたか……アルディギア王国の王女直轄管理対象魔族のものだ、と」
「……なんだと」

 アルディギア王国は、バルト海に面する北欧の小国だ。魔導技術の発展で有名な国で、近頃開発された《疑似聖剣(ヴェルンド・システム)》は世界から注目されている。彼の国の王女、ラ・フォリア・リハヴァインは『フレイヤの再来』と称される美麗な容姿の持ち主だ。那月も何度かあったことがあるが、腹に一物含んでいるような物言いがどうも気に入らない。

 だが、そのラ・フォリアが飼っている吸血鬼の話には那月も多少の興味を持っていた。詳しいことはよく分かっていなかったのだが、まさかこんなところで遭遇することになるとは。

「魔城……暁魔城、ねェ……」

 ヴァトラーが笑い、考え込むようなそぶりを見せる。

「いやなに、どこかの誰かによく似た名前だと思ってね」
「ああ……」

 そう。その名前。『暁』という名字と言い、『城』と名前に入っているところと言い、どこぞの第四真祖とその父親にそっくりである。関係性があると踏むべきか。

「それで?その男は何と言っていたんだ」
「吸血鬼の眷獣ではなく、核爆弾の爆発によるものだと……眷獣の能力を起動させて調べたようです」
「ほぅ……」

 核爆弾を使った小規模連続テロ。この手口、聞き覚えがある――――。

「次に来たら私に知らせろ。私はいったん外れる……調べたいことがある」
「はっ、承知しました」

 那月は小隊長の反応を確認すると、空間制御の術を使って転移した。


 ***

 絃神島全域を展望できるキーストーンゲートのタワー上に、黒髪の男が複数の部下を引き連れて立っていた。

「くくくく……背徳の街よ、沈むがいい……」

 アメリカ連合国出身のテロリスト、ジャック・ストレングスは、絃神島を睥睨して、にやり、と笑った。魔族の存在を許す《魔族特区》。この背徳の街を放置しては置けない。

 アメリカ連合国は人類純潔世界を目指す、反魔族の差別国家だ。必然的に、そこに生まれてくる人々も反魔族感の強い国民となる。ただ、近辺の魔族特区は第三真祖”混沌の女王(ケイオスブライド)”が支配する《夜の帝国(ドミニオン)》、《混沌海域》に属する為、手出しができない。それをした瞬間、第三真祖の手痛い報復を受けるからだ。いくらアメリカ連合国といえども、第三真祖の二十七の眷獣を相手に戦い切れるとは思っていない。

 だからジャックを首領とする、
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