05:《番外真祖》の事件捜査
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る。ちなみにラ・フォリアに直々に問うなどといったことは恐らくできないが、それをしてもラ・フォリアは「魔城の言ったことは真実です」と言ってくれるに違いない。否、一度そう言うことがあったか……あれはいつだったか……。ちなみにデータベースなどを調べればわかるが、きちんと魔城の身分は『アルディギア王女直轄管理対象魔族』となっている。
だがしかし、この手はラ・フォリアに相当大きな借りを作ることになってしまう。返済するのが非常に難しいので、できれば使いたくなかった、いわば『禁じ手』なわけだが、背に腹は代えられない。
とりあえず効果はてきめんだったようだ。小隊長があわてた様に部下に確認をとる。
「な……あ、アルディギアの……!?おい、調べろ!」
「ら、了解!!」
あわてて隊員の一人が人工島管理公社に連絡を取る。数度の応答のあと、ひきつった表情をとる。隊員はそのひきつった表情のまま、隊長に報告。そして伝染したかのように隊長の表情もひきつる。
「し、失礼いたしました!!お入りください!!」
直後、打って変わって直立不動の姿勢で、小隊長が魔城の操作介入の許可を出す。「ありがとうございます」と笑顔で謝礼をしておきながら、魔城は心の中で呟いた。
――――何があったし、と。
「あれはラ・フォリアがなにか仕組んだな……」
もしかしたら魔城の登録情報に何か変更を加えたのかもしれない。特区警備隊の急変はそのせいだとしか思えない。そうでもなければ、王女直轄管理の魔族でしかない魔城があれほど急激な対応の変化を受けるわけがないのだ。
まぁ、ラ・フォリアの直轄管理魔族なんていうのは魔城しかいないし、そもそも直轄管理魔族なんていう存在自体恐らく全世界で魔城しかいない。あれはラ・フォリアが半ば無理やり作った称号だからだ。あの腹黒王女は、国家のことを考えているのか自分のことしか考えていないのかよくわからない行動をたまにとる。
「……確実にこれだけは彼女の我儘だけどね」
そうでなければ、別に国家の利益になるわけでもないこの称号をわざわざ魔城に送る必要性がない。魔城は、表向きには何の特徴も無いただの吸血鬼でしかないのだ。
兎にも角にも、ラ・フォリアのおかげで工場の捜査を行えるようになった。
魔城がこういったテロ系の犯罪に敏感なのは、アルディギアにいたころに何度か国家テロと争ったことがあるからだ。先日、日本に発つ前に空港で戦りあった《アルディギア解放軍》もテロ組織だ。あそこで打ち合わなくても、いつかは魔城と激突しただろう。
とりあえず、今は今回の爆発テロを捜査することが先決だ。
「ふむ……」
工場の中も、真っ黒に焦げていた。備品の
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