第二十二話「風呂と王女と精霊と」
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るで魅了に掛かったように肢体に釘付けになっていると、フィアは膝をもじもじと恥ずかしそうに擦り合わせた。
「あまりジッと見ないで、リシャルトくんのエッチ……。わ、私だって、こんなことするのは……その、恥ずかしいのよ?」
そう言いながらおもむろに纏っていたバスタオルをはらりと落とした。
「――ッ!」
まさに電光石火の勢いだった。
フィアのバスタオルが落ちそうになるのを目にした途端、脳裏に「バスタオルが落ちる=裸が見える」の方程式が導かれ、無意識の領域でタオルが落ちないように掴んだ。
女性特有の柔らかな肌の感触が伝わってきて、赤い顔が一層濃くなる。頭から湯気が出るのではと思うほど熱を帯びていた。
「な、なななにを考えてるんだお、おお前さんは!?」
きょとん、と目を瞬かせたフィアがクスッと笑んだ。
「大丈夫よ。この下、水着なの」
「み、水着……?」
確かにバスタオルの下は水着だった。
セパレートの黒い水着。腰をパレオで覆い、胸元には薄いヴェールがついている。
「それで、どう……かな?」
後ろに手を組んでもじもするフィア。気恥ずかしさからか若干うつむき加減のため、ただでさえ水着で胸元を晒しているのにそこを強調する姿勢になる。
正直、言葉がない。
数年見ぬうちに大人っぽい色香を身に着けたお姫様にこの水着は不思議とマッチしていた。艶やかな黒髪も相まって黒という配色がなおのこと良い。
なにが言いたいかというと――。
「その、とても似合ってるぞ……ドキドキするくらい」
「〜〜〜〜っ」
ボンッと顔から湯気が出るのではと心配になるほど肌を上気させたフィアはごにょごにょと言葉を濁した。
「リ、リシャルトくんは自分の言葉の破壊力を理解できているのかしら……」
しかし、意味がわからない。なんでこんなところにそんな格好でいるのだろうか。
内心。首を傾げながらも必死に心を落ち着かせていると、気を取り直した様子のフィアが肩にそっと手を触れた。
――落ち着きを取り戻しつつあった心が再びオーバーヒートした。
「洗ってあげるからそこに座って」
「にゃ、にゃにお……」
ふにょん。
不意打ちだった。いきなり柔らかな弾力が背中に押し付けられた。
「――っ!?」
なんとも表現出来ないのどの奥から搾り出したような声のない悲鳴が漏れ出た。
フィアはこほん、と咳払いすると取り繕ったように言う。
「お、王女様の私が直々に背中を流してあげる。光栄に思
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