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ーよー・・・」
俺を涙目で見上げるロズミア。
・・・見ていて心がとても痛む。
「さようならだ」
「え?パパ・・・それってどういう・・・」
そう言い終わる前に俺はロズミアを崖から突き飛ばした。
せめて痛くないようにやさしく押してあげた。
きっと悲しいだろう。
でも・・・痛くしないでやったから・・・だから・・・これで許してほしい・・・。
「パパー!!助け・・・て・・・!?」
ごめんな・・・。
でも・・・楽しかったぜ・・・。
−ロズミアサイド−
私は落ちている。
今堕ちている。
お父さんが突き飛ばしたの?
それとも・・・私が勝手に自分で落ちちゃったの?
ねえ、お父さん・・・。
お父さんじゃないよね・・・?
違うよね・・・。
そんなことない・・・よ・・・ね・・・?
「なーに・・・?これ・・・」
痛い・・・。
見ると、肩に鉄棒が刺さってた。
海に捨てられたゴミが・・・私に牙をむいている。
海が・・・私を殺そうとしている。
もう一度・・・もう一度お父さんのところに行くのに・・・。
「こんなところで死ねない・・・」
鉄棒を体から無理矢理引き抜こうとするが、抜けない。
流石に無理ね・・・。
なら、今度は体のほうを引き抜こうとする。
・・・抜けた。
んじゃあ、今度は海岸まで・・・行かないと・・・。
う・・・体が・・・重い・・・。
血を・・・流しすぎたのね・・・。
ダメ・・・ね・・・。
こんな・・・こんな・・・ことで・・・。
「ロズミア!!!」
と、お父さんが海に飛び込んでくる。
「お父さん、ここは危ないんだよ・・・?」
「怪我・・・してるじゃないか・・・。大丈夫だったか・・・?」
「うん・・・へいき・・・」
「そうか・・・じゃあ、戻ろうか・・・」
「ねえ、お父さん」
「なんだ・・・?」
「私って・・・生きてちゃダメ・・・?」
・・・だって、こんな海にさえも嫌われて・・・。
それに、私は知っている。
私を突き飛ばしたのはお父さん。
助けに来てくれたけど、でも突き飛ばした。
でも、怨んでいない。
だって、私が生きてちゃダメなほど・・・いいこじゃなかったから・・・。
そう思うと、涙があふれてきた。
「・・・そうだな」
「んじゃあ、死んだほうがいいの・・・?」
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