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、合わせてやれば、別段被害はない。
むしろ、愛くるしいぐらいだ。
・・・先ほどのことがなければ、普通にかわいがってやったのにな・・・。
「ああ、大丈夫だ。それより、夕日がきれいだぞ」
「本当だー・・・。血みたいに真っ赤・・・まっかっか・・・うふふ・・・アハハハ!!!」
「ロズミア!ほら、海も見えるぞ!!」
「え?あ、本当だー。おさかなさんいるかなー?」
そう、こいつは『血』や『人間』、『殺人』などという単語に反応して元に戻ろうとする。
先ほどは、『なんで、こんなことをするのか』と聞いたら『こんなことってなーに?』って聞きかえしてきたから答えてやったらこんな風になった。
幸い、止め方は注意をそらすだけでいい。
いたって簡単だ。
「ああ、クジラさんもいるかもな」
「え!?クジラさんも!?どこどこー!」
必死になって探すロズミアは見ていてとてもかわいらしいもの。
・・・だが、俺は心を鬼にしなくてはならない。
「そこだとよく見えないんじゃないか?ロズミア」
「うーん・・・本当だー・・・全然クジラさん見えなーい・・・」
「んじゃあ、あそこのところに行っておいで。あの崖のところなら海に近いから見えるかもしれないぞ」
「本当だー!んじゃあ、行ってく」
「ちょっと待て、ロズミア」
「んー?なーにー?」
その無邪気な笑顔に・・・俺は殺意がわかなかった。
俺がこれからすることには必要なんだ・・・。
純粋な殺意が必要なのに・・・こんな純粋な笑顔を向けられると・・・。
「くぅ・・・」
「・・・パパ!?泣いてるの!?大丈夫ー・・・?わたしがよしよしするから泣き止んでー・・・?」
「いや・・・大丈夫だよ・・・。ただ、夕日がまぶしかっただけさ」
「そお?ならいいの!あ、それでパパなんのよー?」
「ん?ああ、崖は危ないからパパがついて行ってあげようってことだよ」
「あーほんとーだー・・・。落ちたら危なそうだねー・・・。パパ凄い!気付くなんてすごい!!」
そう言って、上機嫌で手をつないで崖まで歩いていくロズミア。
・・・すまない。
自業自得とはいえ、これは立派な殺人になりえる行為だ。
だが・・・だが、こうしないと・・・終わらないんだ・・・。
こいつの殺意は絶対に終わらない・・・。
今はこうして押さえつけれているが、それもいつまでも持つわけではないだろう・・・。
だから・・・覚悟を決めるしかない。
「どうしたの?パパ・・・。お手てつなご
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