暁 〜小説投稿サイト〜
深く、罪深い衝動
7
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、合わせてやれば、別段被害はない。
 むしろ、愛くるしいぐらいだ。
 ・・・先ほどのことがなければ、普通にかわいがってやったのにな・・・。


 「ああ、大丈夫だ。それより、夕日がきれいだぞ」


 「本当だー・・・。血みたいに真っ赤・・・まっかっか・・・うふふ・・・アハハハ!!!」


 「ロズミア!ほら、海も見えるぞ!!」


 「え?あ、本当だー。おさかなさんいるかなー?」


 そう、こいつは『血』や『人間』、『殺人』などという単語に反応して元に戻ろうとする。
 先ほどは、『なんで、こんなことをするのか』と聞いたら『こんなことってなーに?』って聞きかえしてきたから答えてやったらこんな風になった。
 幸い、止め方は注意をそらすだけでいい。


 いたって簡単だ。


 「ああ、クジラさんもいるかもな」


 「え!?クジラさんも!?どこどこー!」


 必死になって探すロズミアは見ていてとてもかわいらしいもの。
 ・・・だが、俺は心を鬼にしなくてはならない。


 「そこだとよく見えないんじゃないか?ロズミア」


 「うーん・・・本当だー・・・全然クジラさん見えなーい・・・」


 「んじゃあ、あそこのところに行っておいで。あの崖のところなら海に近いから見えるかもしれないぞ」


 「本当だー!んじゃあ、行ってく」


 「ちょっと待て、ロズミア」


 「んー?なーにー?」


 その無邪気な笑顔に・・・俺は殺意がわかなかった。
 俺がこれからすることには必要なんだ・・・。
 純粋な殺意が必要なのに・・・こんな純粋な笑顔を向けられると・・・。


 「くぅ・・・」


 「・・・パパ!?泣いてるの!?大丈夫ー・・・?わたしがよしよしするから泣き止んでー・・・?」


 「いや・・・大丈夫だよ・・・。ただ、夕日がまぶしかっただけさ」


 「そお?ならいいの!あ、それでパパなんのよー?」


 「ん?ああ、崖は危ないからパパがついて行ってあげようってことだよ」


 「あーほんとーだー・・・。落ちたら危なそうだねー・・・。パパ凄い!気付くなんてすごい!!」


 そう言って、上機嫌で手をつないで崖まで歩いていくロズミア。


 ・・・すまない。
 自業自得とはいえ、これは立派な殺人になりえる行為だ。


 だが・・・だが、こうしないと・・・終わらないんだ・・・。
 こいつの殺意は絶対に終わらない・・・。
 今はこうして押さえつけれているが、それもいつまでも持つわけではないだろう・・・。


 だから・・・覚悟を決めるしかない。


 「どうしたの?パパ・・・。お手てつなご
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ