暁 〜小説投稿サイト〜
深く、罪深い衝動
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 −警察サイド 〜路地裏にて〜 −


 1609時。


 「死体の状況から察して・・・おそらくは1時間〜2時間前でしょう」


 検視官がそう結論付けるとさっさとどこかへ行ってしまった。


 路地裏で起きた殺人事件。
 遺体の状態はひどく、凶器と思われた鉄パイプがひん曲がってたほどだ。


 「遺体に空いた穴は・・・多分この鉄パイプを刺した時にできたものだな」


 「う・・・。それにしてもこんなことが人間のすることでしょうか・・・」


 「それを言うなら、こういう事件は山ほどあったと思うぞ。過去の新聞でもあさってきたらどうだ?」


 「え・・・遠慮しておきます・・・」


 まあ、確かに目を背けたくなるような程の遺体はめちゃくちゃにされているが、そんなのにいちいち過剰に反応していては警察官なんて勤まるわけがない。


 「しかし・・・前の事件の最中に呼び出されるとは・・・な・・・」


 「そうですね・・・。せっかく切り刻まれた遺体が見つかったのに」


 あのあと、俺たちは床下に隠し通路のようなものを発見し、そこに切り刻まれた遺体が投げ込まれているのがわかった。
 それはもう・・・今の遺体の比じゃないほどのひどさだった。


 おもわず、俺でも目をそむけてしまうほどだった。


 ・・・あんなむごい遺体は見たことがない。


 「思い出させないでください!あんなの・・・絶対に人間のやることじゃないです・・・!」


 「・・・なら、チェーンソーを持った悪魔があの人間を切り刻んだというのか?残念だが、悪魔なんて言うのは存在しない。いるのは悪魔の心を持った人間だけだからな」


 「そういう人を悪魔っていうんです!」


 まあ、そうか。
 だが、それにしたってまだこんなのは序の口な気がする。


 どんどん、この事件は加速していって、最終的には・・・。
 とにかく、想像はつかないが、犯人は絶対にこれ以上のことをする。


 なら、その前に捕まえておくのがいいのだろう。


 −ロズミアサイド−


 1501時。


 私はクレイを殺した。
 だけど、罪の意識はない。


 それと、彼女ではなかった。


 彼女は死ぬ間際に『私はあなたの家族に何もしていない!』といっていた。多分本当だろう。どのみち、放っておいたら死んだだろうからせっかくなので殺した。
 警察がまた出てくるだろう。
 今度は返り血を浴びないように気を付けながら殺した。


 だから、ちょっと原型が留まってるけど、顔を中心につぶしたから、身元の特定には時間がかかると思う。
 パイプにも血をべっとり塗り付けてきた。
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