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深く、罪深い衝動
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ごってあげるから!」


 「紅茶をお変わりする程度のお金なら私にだってあるわ。それに、もうお腹いっぱいだから。じゃあね」


 そう言って、私は足早に去ろうとする。
 だが、手をつかまれる。


 「この私が一緒にお話ししながら飲み物を飲もうって言ってるのよ!」


 「・・・ちょっと手を放してくれないかしら。どうしても外せない用事があるの」


 「フン!私のことより大事なことなんてこの世に何一つとしてないのよ!?わかってるの!?」


 はあ・・・。
 なんていう暴論なのかしら・・・。


 こういうのは話すだけ無駄ね。


 「わからないわね」


 だから私はさらっと言ってまた去ろうとした。


 すると、私は殴られた。


 「・・・前から気に入らなかったの」


 「・・・あ、そう。離してくれないかしら?今ならまだ殴ったことは許してあげる」


 その私の言ったことに対してクレイは笑う。
 というか、客。
 見てないで止めなさい。


 因みに今、クレイは私の上でマウントを取っている状態だ。


 「いいザマだわ!さあ、私に懇願しなさいよ!さあ!!」


 あーあ。
 これはもう完全にアレね。


 ちょっと逃げましょう。


 私はスルリ、とクレイの股下から逃げ出す。
 そして、そのまま走って店を出た。


 呆然としたクレイを後に見たが、すぐに立ち直って追いかけてきた。


 「しぶとい女ね・・・」


 私は路地裏に逃げ込む。
 途中、人とぶつかりそうになるが、なんとかよける。


 クレイの噂の一つにもあるように、クレイは気に入らないものは自分の周りからことごとく排除するか、自分が気に入るように『調教』したりするという。
 排除の仕方は自殺に追い込んだり、それこそクレイが頃いているという噂まである。
 真偽のほうは定かではないが、あながちウソでもないかもしれない。


 「待ちなさい!待ちな・・・邪魔よ!キャアアアアアアアアア!」


 「ふん・・・。いいザマだわ」


 と、私は角を右に曲がる。
 すると、行き止まりだった。


 あわてて、戻ろうとするが、そこには土で汚れたクレイがいた。


 「フゥ・・・ハァ・・・。まったく・・・手間をかけさせるやつ・・・!」


 「あなたはずいぶんとしつこいわね。その醜い姿・・・お似合いよ」


 「なんだって!?」


 そう言って、クレイがつかみかかってくるが、走りまくって疲れきっているクレイの突撃は簡単によけれた。


 「ぐぅ・・・」


 そして、そのまま地面に激突した。

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