暁 〜小説投稿サイト〜
深く、罪深い衝動
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そうだが、何かが引っ掛かる。
 とりあえず、現状分かっているのはこのぐらいで、チェーンソー箱の中のどこかのタイミングで使われたのだろう。


 「それに、床についたこの血・・・。俺らだとよくわからねえけど、多分二人分にしては多い気がする・・・」


 「・・・そうなんですか?」


 「わからない。けれど、いくつもの現場を見てきたからなんとなくでだが、わかるだ・・・」


 つまり、長年の経験に基づいた勘、というやつである。
 しかし、先ずは切り刻まれた死体を探すところからだ。


 「・・・ん?」


 と、考え込むように周囲を歩き回っていると、ふと、時計が壊れているのが目につく。


 「この時計・・・。銃弾でもうけたのか・・・?」


 おそらくは、犯人が威嚇のために撃ったのだろうか・・・。
 だが、犯人は倉庫のほうからやってきているはずだ。


 なのに、この時計は犯人がやってきた方向にある。
 つまり、こいつは、被害者二人とは真逆の方向、後に向けて威嚇したのだ。


 それは少しおかしい・・・。
 それに、よく見るといろんなところに銃弾を受けたような跡がある。


 「・・・この時計・・・位置的におかしくないか?」


 「え?・・・そうですか?」


 「いや、だって、犯人はそっちから来てるのに、あの位置だと自分の後ろ側にわざわざ撃ってることになるだろ・・・」


 「いやあ・・・威嚇だと普通なんじゃないですか・・・?」


 「そうか・・・?だといいが・・・」


 何かが引っ掛かるんだよなあ・・・。
 ・・・この事件はもう少し本腰を入れて調べたほうがいいかもしれない。


 −ロズミアサイド 〜喫茶店にて〜 −


 1352時。


 あれから私はいろいろと演技してから、準備をし、警察署へと自ら出向いた。
 正直、電話するべきだったと思うけど、そこまで考えが至らなかったのが残念なところね・・・。
 ちょっと考えればすぐ思いつくことなのに、そんなの気付かないとは警察も馬鹿な連中ばかりなのね。


 「あら、ロズミアじゃない」


 「そういうあなたは・・・クレイね」


 「ええ、そうよ。私の名前を覚えてくれているなんて光栄だわ」


 「まあ、覚えることは得意だしね・・・」


 「おお!流石は成績優秀者!!」


 この子はクレイ。
 クレイ・アスカトル。
 クラスのムードメーカー的存在だけど、何かと黒いうわさが絶えないのよね・・・。


 正直、苦手な相手だわ。


 「・・・私用事があるから」


 「いやー、まあまあ!そう言わずに・・・ね?ほら、お
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