異なる物語への介入〜クロスクエスト〜
遭遇1―Encounter1―
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?あれ、確かコックローチドーパントだよね。Wからメモリ奪った奴。何でSAOにいるのさ」
ドーパント、という言葉に聞き覚えはないが、この青年はどうやらSAOプレイヤーらしい、ということが分かった。しかし、彼の言葉では、まるですでにSAOがクリアされたような……。
「何でもいい!頼む、協力してくれ!」
「ヤヴォール!……えーっと、確かこうだったよな。……ビットスタンバイ」
アツヤが目にしたのは、一層驚くべき光景であった。青年のコートの裏から、三十センチほどの短剣が飛び出したのだ。それも十本。いかなるロジックによってか、宙に浮いている。そして、青年の『ビット』という言葉……まさかあれも《ソードビット》なのか!?
「一本だけで戦うのは久しぶりだなー。《帝王剣》もあるといいんだけど……《ペルーディア・インティカ》」
青年の姿が掻き消える。次の瞬間、アツヤを攻撃していた怪人が、遥かかなたに吹き飛び、建造物にぶつかってポリゴン片へと霧散した。
……何という攻撃力。
「意外と脆いのな。それにしてもスタッフの作り込みがすごいよなー、あれ。ホントなんで日曜の朝にあんなの出そうと思ったのか……あ、ごめんね。倒しちゃって。君の獲物だったんでしょ?」
「あ、いや……助けてくれって頼んだのは俺だしな。俺はアツヤ。あんたは?」
「へぇ、君がアツヤ君か。確か『二対大剣の世界』の勇者だよな。僕はシャノン。よろしく、アツヤ君」
アツヤのことを知っていると思しき、その不思議な口ぶり。しかしにっこりと笑って右手を差し出してくるシャノンに敵意はなさそうで、アツヤはその右手を握った。
異なる物語への介入、その第一幕であった。
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