暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
異なる物語への介入〜クロスクエスト〜
遭遇1―Encounter1―
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「ウウォ―――ン!」

 モンスターと思しき、HPの出ない怪人は、泣き叫んでいるようにも聞こえる咆哮と共に、ものすごい勢いで突進してきた。そのスピードは、攻略組プレイヤーにも匹敵するほどだ。

「うわぁ!?」

 とっさに双大剣を抜き放って迎撃する。しかし、押し込まれるのは大剣の方。全力で怪人の攻撃をはじくが、しかし恐ろしいスピードで次の攻撃が来る。相手は素手だ。しかし、こちらの防御をじりじりと追い込んでくる。

「マジかよ……ッ!」

 アツヤのレベルは110。キリトよりも高い、攻略組の中ではほとんど最高といってもいいレベルだ。加えて、二本の大剣を持つために、筋力値はかなり高めにあげている。それが、これほどまでに一方的に押し込まれる……!

「何なんだよこいつ……!くそっ、《ソードビット》!!」

 アツヤの掛け声に答え、どこからともなく《悪我》によく似た剣が二本出現する。アツヤの持つユニークスキルの一つ、《ソードビット》。《二対大剣》を可能とするスキルだ。使用にかなりの意志力を要求されるため、普段は使っていないのだが、今は仕方がない。

「行けッ!」

 二本のソードビットが飛ぶ。それは怪人を切り付け、その傷口から、緑と赤を足して二で割った様な奇妙な色の血液を噴出させた。

「何!?」

 思わず驚愕に息をのむアツヤ。それは、怪人の血の色がおかしかったからではない。それ以前に――――血が噴き出したことに対してだ。SAOには痛覚も、流血表現も無い。不快な衝撃や流血に思える真紅のエフェクトはあっても、流血自体は存在しないのだ。痛覚も《ペイン・アブソーバー》によって押さえられている。

「グルラッ!!」

 怪人が逆上し、殴りかかってくる。気付いたときには、既にその攻撃がアツヤにヒットしていた。痛覚。やはり、ペイン・アブソーバーも無効化されている。これは一体……!?

「ガハッ……」

 吹き飛ばされたアツヤは、二本の大剣でバランスをとって着地する。そこに追い打ちをかける怪人。アツヤはソードビットを防御に回し、攻撃をはじく。

 集中力が乱れてくる。このままでは負ける――――その時だった。

「うわぁぁぁぁ!?」

 ドスン!と何かが落ちてきた。

「うぅ……僕が無重力アトラクション嫌いなの知ってるだろ……?ってなんだこりゃ。SAOか?うわ、懐かしいなオズワルト!」

 それは、オレンジ色の髪の青年だった。年齢は17歳ほどか。年の割には背が低いような気もする。その手には、光沢のある真紅の大剣……いや、巨剣が握られていた。

「あれ?ヴェヴィティエールは無いのか……仕方ない、一本だけで行きますかね……あれ?ちょっと待て、此処圏内だよね?何でモンスターがいるの?つーか何でドーパント
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