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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第311話】
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ト? 僕も一口コロッケ欲しいなぁ……」
「むぐ? ……んぐんぐ、ほい」
箸で一口サイズに切り分けるのだがシャルは――。
「た、食べさせてくれる?」
「にょ? ……マジですか?」
「……うん。 ダメ……?」
甘えた子犬の様な上目遣い――これは……断れないな、流石に。
「……仕方ないな。 ……俺もだいぶ甘いよな……」
「ご、ごめんね?」
「……いいよ。 でも、本当にこれで最後だからな?」
「う、うん」
……とはいえ、多分また頼まれるんだろうなと思ってしまう。
……正直、人の目もあるから出来れば遠慮したいが、それでもやはり好意を向けてくれる女の子の頼みも断る事が出来ないのは無自覚に人を傷つける優しさなんだろうと思ってしまう。
考えを払拭するように軽く頭を振ると、切り分けたコロッケを箸で摘まみ、口元へと運ぶ。
「あ……む……」
そっと小さく口を開き、口元に運ばれたコロッケを食べるシャル。
口元を手で覆い、シャルはゆっくり味わうように食べると――。
「ん……。 サクサクで美味しいね♪」
「あ、揚げたてだからな」
「あらあら? イチャイチャしちゃって〜」
「うぐ……」
何気なく一連を見ていた料理部部長に言われ、赤面する思いだった。
そんななか、シャルは気にする事なく再度肉じゃがを食べ――。
「この肉じゃが、本当に美味しいですね。 ……どうやって作ったのですか?」
「ん? これねー。 圧力鍋使って作ってるのよ。 時間短縮だけじゃなくて、味付けも決まるからさぁ。 手離せない一品よ」
成る程と頷きつつ、俺はエビの天ぷらを食べ、料理部部長さんの言葉に耳を立てる。
「圧力鍋……ほ、他にコツとかあるんですか?」
「ふっふっふー。。これ以上は秘密よ。 知りたければうちに入部してね!」
勿体ぶった言い方かつお茶目な仕草で言う部長さんに、苦笑を溢すがシャルは何かを感じたのか――。
「料理部かぁ……。 ひ、ヒルトはさ、僕の料理が美味しいと嬉しい?」
唐突な質問に、頭に疑問符が浮かぶも俺は――。
「……まあ美味い料理を食べれるのは俺としても嬉しいものだな。 その点この学園の食事は格別だ。 日本の税金で食べてるのがちょい引っ掛かるが……この辺りはいつか還元出来ればと思うな」
「ふ、ふぅん……。 な、何にしても、僕が美味しい料理を作れると嬉しいんだね?」
「そうだな。 嬉しいぞ?」
「へへ……♪ な、ならいいんだぁ……。 えへへ♪」
嬉しそうに笑みを溢すと、残った肉じゃがを食べるシャル。
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