転生するビビリ
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が居ると確信していた。
何もない普通の世界の可能性で神である自分を恐怖させられるなら能力のある世界ならどれほどなとかと男は思っていた。
「どれどれ、君の平行世界の中で一番強いのは…えっ、」
「どうしたの?何かあった?不安になって恐怖しちゃうよぉ」
「あぁ、君の平行世界で一番強いのは鬼神 阿修羅、ソウルイーターの鬼神 阿修羅だよ」
「鬼神…阿修羅?フフ、フフフフフキャッハキャハハハハハハハハ」
イキナリ狂った様に笑いはじめた。いや、元々狂っているのだからそれは本来有るべき姿で笑いはじめた。その狂気を直接喰らった男は少女に尋ねた。
「そんなに面白いことだったかい?」
「いや、そうだねピッタリだね。私ってかなりのビビリだから、怖いなぁ」
「それじゃあ、特典の確認だ。一つ目は特典の強化、二つ目は君の平行世界の可能性、鬼神阿修羅の力全て、ヴァジュラもしっかり付けてあるからね」
「そう、完璧だね。本当に恐ろしいなぁ、これから未知の世界に転生するんだから。震えるなぁ」
「それから、転生するにあたって細かい注文はあるかい?」
少女は考える素振りを見せると、笑ながら思い付いた様な顔をして言った。
「じゃあ、ここに来る以前の記憶を全て消して」
「はぁ?本気で言ってるのかい?」
「うん、だって転生するのに前世のことが記憶にあったら怖いから」
「どうしてここに来る以前の記憶なんだんだい?全ての記憶じゃなくて」
「だって、全部の記憶を消したら自分が消えそうで怖くて。記憶を消したのを忘れたら思い出せなくで怖いなんてことになりそうだから」
震えながそう言っている姿は男が少女が先ほどまでの狂気を放っていたことを忘れてしまうほど弱々しかった。
「それ以外はないかい?」
「うん、他に何もないよ」
「わかった、転生するけど生まれる年代は正直僕にはわからない。決めていないと特典に依存するところがあるからね、それじゃあ行くよ」
「わかった、怖いなぁ。新しい世界も、そこにある未知が、全てが恐ろしいなぁ」
「そう、僕は君がとても恐ろしかったよ」
「へぇ、私は貴方のことが何故かあまり恐ろしくなかった、結構話してるのは楽しかったよ。そんなこと考えてる自分が怖いなぁ」
「そうかい?それは何よりだ」
「思ってもないくせに」
「じゃあ、新しい人生を」
「本当に怖いなぁ…」
そう言って少女は光に包まれて消えていった。後には白い空間に佇む男ただ一人だ。
「はぁ、やっと行ってくれたよ。大変だったなぁ」
そう言ってはいるが男は笑っていた。
「これで僕の担当の転生は終わりかぁ。それにしても楽しかった、か」
男は何かを
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