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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十六話 背負うモノと真実
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いうことから説明を始めよう」

 吸血鬼といっても真祖や死徒もあるのでまずはその根本から説明を始める。

 吸血鬼が人の血を吸うモノの総称であり、真祖、死徒によってまたは別の方法で吸血種となったモノを指すこと。

 真祖が吸血種の中において特異な存在。はじめから吸血鬼だったモノであり、伝承の吸血鬼のような弱点を持たないため、日光も平気であるが、『吸血衝動』という致命的欠陥を持っていること。
 その衝動を抑えるために本来の力を使うために力を出し切ることは出来ない。
 そして、寿命というものがなく最も優れた時期に活動するために幼年期は眠って過ごし、蓄積された衝動に絶えられなくなったら永遠の眠りにつくこと。

 死徒が元のモノから吸血鬼に成ったモノであること
 伝承のように日光に弱く、弱点がいくつかある。
 真祖と大きな違い衝動ではなく、急速に崩壊する遺伝情報を補うために同種の生物の遺伝情報である血を求めるということ。

 もちろんこの情報が全てではない。
 真祖、死徒についても全てを説明するとややこしくなるので必要な情報だけで省いている。

「じゃあ、士郎君も血を吸わないと」
「その辺りは問題ない。
 無論、血を吸ったことがないとは言わないが、吸血目的で誰かを襲ったりしたことはない。
 太陽光も克服しているし、遺伝情報の崩壊もある方法で抑えられている。
 それでも魔力が枯渇したり、肉体へのダメージが多くなりすぎると本能的に血を求める衝動はあるが」

 シャマルの言葉を否定する。

 恐らくアヴァロンがなければ吸血行為は必要だったのだろう。
 そして、もしなければ本能的に血に溺れていたのだろうが。

「時の庭園、闇の書事件でのあと治療ではなく隔離を願い出たのはそういうことか」

 クロノがようやく俺の行動の意図に合点が言ったと頷く。

「まあな。
 さて、俺自身の説明はこんなところだろう。
 他に聞きたいことがあれば答えるが」

 全員を見渡すが何かを言いたそうにするが、発言するまでは至らない。
 特になのはたちは俺になんと話しかけていいのかも迷っているように思える。

 無理もないか。
 平行世界から来たこと、俺が元の世界でやってきたこと、吸血鬼という人から外れていること。

 皆、整理しきれていないのだろう。

 俺を拒絶する、受け入れるも含めて

「もう時間も遅い、色々整理できていないところもあるだろう。
 部屋を用意しているからそこで休んでくれ。
 皆の質問には答えられる範囲で話すつもりだ。
 プレシア、すまないが後を頼む」
「……ええ、わかったわ」

 後のことをプレシアに頼み、席を立ち俺は静かに部屋を後にした。
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