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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十六話 背負うモノと真実
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「貴重品、それにサンプルってどういうことなの?」
「さすがに鋭いな。
 この令状、魔術師にとって最高級の名誉であると同時に厄介事だ。
 組織にとっては必要なのは貴重魔術の保存が目的であり、保護という名での拘束・拿捕し、一生涯幽閉することを意味する。
 さらに必要なのは魔術回路だけであり死んでいても関係がない。
 死んでいれば標本にされ、生きていればそのままホルマリン漬けにされるというわけだ」

 プレシアの質問に対する答えに全員が嫌悪感を示す。

 管理局に比べればあまりに非人道的な組織だからなあそこは。

 まあ、本当を言えば魔術回路ではなく、研究成果の魔術刻印だが、魔術回路の説明が必要になるので別にかまわないだろう。

 魔術協会や聖堂教会に関しても平行世界の組織なのであまり説明をする気はない。

 ちなみに魔術協会、聖堂教会などの組織に狙われた俺だが、その中でも魔術協会では『衛宮』の名は禁忌に近いものであった。

 『三代目の衛宮』

 死徒になり聖堂教会が俺を二十七祖の第十位に登録すると同時に聖堂教会による俺の魔術回路の消失を恐れた魔術協会は即座に封印指定に発令した。
 その時に呼ばれた忌み名である。

 封印指定を受けたじいさんの父親である、衛宮矩賢
 魔術師殺しと恐れられた、衛宮切嗣
 血の繋がりこそないとはいえ、投影という異質な魔術を使い、二十七祖に数えられる死徒に至った、衛宮士郎

 さらに死徒になる前から何度か協会からの依頼を受けて魔術師に手をかけ与えられた『魔術師殺し』の称号。
 協会が『衛宮』の名を禁忌のように扱ったのも当然といえば当然か。

「話を続るが、死徒とは吸血鬼の種類と思ってもらえばいい」
「吸血鬼? それって血を吸うっていうアレのこと?」

 俺の口からまさか吸血鬼という言葉が出てくるとは思っていなかったようでほぼ全員が首をかしげる。
 唯一の例外はわずかに肩を震わせたすずかだけ。

 管理局にも吸血鬼という言葉が伝わったのが意外だが、話が早くて助かる。

「ああ、その認識で間違いない。
 しかし、管理局側の知識にも吸血鬼という言葉があったのは少し意外だな」
「童話や伝説のような形で話はあるわよ。
 死者が生き返った存在だとか、日の光が苦手で特定の方法でないと死なないっていうのは同じよ。
 こちらの世界のように姿を変えるとかいうのは聞かないけど」

 プレシアの言葉に地球とミッドでも死者が生き返り生き血を吸うというホラーでは共通認識ということを理解する。

「でもさ、吸血鬼って言うけど普通に昼間に行動してるじゃねえか」

 ヴィータの言葉に同意するように頷く面々。

「そのあたりは後で説明する。
 まずは吸血鬼とは何なのかと
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