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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十六話 背負うモノと真実
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していることに気がついたのだろう。

「十人助けるために一人を見殺しにした。
 百人救うために十人を切り捨てた。
 千人を守るために百人にこの手で刃を振り下ろしてきた。
 あらゆる場所で少しでも多くの人を守るために躊躇うことなく実行してきた」

 俺の行ってきたこと、多くの人を救うために少ない人を殺すという正義の味方(破綻者)の道に誰も言葉を発することができない。

 当然だ。

 人を単純に数で考えて行動する俺の行動を、思考を理解できるはずがない。

 それでも最悪の時、俺と同じ選択をしなければならない可能性がある。
 そのことはリンディさん達やシグナム達は当然理解している。

 だがなのは達はまだ人の闇を知るにはまだ幼い。
 しかし今言った事を単純に否定することはできないこともわかっている。

「……そんな選択しかなかったのか?」

 クロノが拳を握り締めて、何かに耐えるように言葉を発する。

 そんな選択しかなかったのか。

 遠坂やアルト達と共にいた時、彼女達はわかっていたのかもしれない。
 俺が一人になるとアーチャー(英霊エミヤ)と衛宮切嗣と同じ道を進み破滅すると。
 だが俺は選択してしまった。

 自身が原因で彼女達を危険に巻き込まないために、一人で彷徨い続けた。

 その中で選択した答えがあっているのかなんてわからない。
 違う選択をしたならばもっとうまく出来ていたのかもしれない。

「……正直に言えば、わからない。
 可能な限り最善の選択をしてきたつもりだ。
 それ以外に選択があったのかもしれない、なかったのかもしれない。
 だが俺はそれを選択してきた。
 ただそれだけだよ、クロノ」

 だが過去はやり直せない。

 だから俺は進むしか出来なかった。

「士郎、僕からも質問いいかな?」

 重苦しい空気の中、ユーノが声をあげる。
 この空気だと死徒の説明をし辛かったのでありがたくもあるので頷く。

「さっき士郎が抹殺または捕縛のために組織が動いたって言ってたけど、抹殺したら士郎の魔術を知ることが出来なくなるんじゃ」

 ああ、そういうことか。
 普通に考えたらそうだな。

「俺の魔術はその組織から封印指定を受けた。
 封印指定とは学問では修得できない魔術、その体質のみが可能にする一代限り、後にも先にも現れないと判断された稀少能力を持つ魔術保有者を貴重品として優遇し、その奇跡を永遠に保存するために魔術師のサンプルとして保護するという令状だ」
「それって結構いいことなんじゃ」

 アルフの言葉に同意するように頷くなのは達。
 だがグレアム提督、リンディさん、レティさん、プレシアはわずかに首をかしげる。
 さすがに鋭い。


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