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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十六話 背負うモノと真実
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ああ、俺が嘱託魔導師として管理局に所属するためにもな。
 丁度来たようだな」

 士郎の言葉にあわせて、扉が開く。

 そこから入ってきたのは予想通りクロノとリンディ、さらに士郎の秘密をもう一人の提督であるレティ。
 そして

「なっ!?」
「てめえっ!」

 ギル・グレアムとその使い魔の二人。

 その姿を認めた瞬間、守護騎士達は立ちあがり身構える。
 ヴィータに至っては既にデバイスを握り締めている。

 それと同時にグレアムを守ろうと前に出るリーゼ姉妹。

 一触即発の空気に座っていた他の面々も立ちあがろうとする。

「全員落ちついて座ってくれ」

 士郎が落ちついた声で座る様に促す。
 だが

「士郎は黙ってろ!
 こいつらが何をしてるかわかってんだろ!」
「ふん、だったらここで決着をつけるかい!」

 完全に血が頭にのぼっているヴィータと戦闘意欲盛んなリーゼロッテ。

 シグナムやリーゼアリアがなだめようとするが効果がなく互いに踏み出そうとした時

「武器を納めて座れと言っている」

 その一言に空気が支配された。

 普段の穏やかな士郎ではなく、戦闘者としての士郎の顔。

 その士郎が放つ敵意に全員が体を強張らせる。

「ヴィータ」
「ロッテ」

 そのタイミングでシグナムがヴィータに、リーゼアリアがリーゼロッテに声をかける。
 互いに不服そうではあるが構えを解き、得物をしまい座る。

(まったく、気持ちはわからんでもないが、ここがどこかわかっているのか)

 士郎が表情を崩さないまま、内心ため息を吐く。

 士郎がため息を吐くのも当然である。

 ここは士郎の屋敷であり敷地なのだ。
 となれば当然、結界も張られている。

 なのは達や一部の人と士郎が受け入れた人は家に入る事が出来るが、その人間が敵意や殺意を抱く可能性はゼロではない。
 特に管理局と交渉をするようになってからは交渉中に隙をつかれる可能性もゼロではない。
 故に敵意や殺意に反応する結界も用意している。
 その中で敵意をまき散らしたのだ。

(俺が結界を止めなければ、やばい事になりかねないというのに)

 結界が反応し、ヴィータ達に牙を向きかけたのを士郎が操作し、止めたという事が裏で行われていたのだ。
 もっともその事に気がついている者はこの場には誰もいない。

 そして、士郎が表情を崩さずまま全員を見渡す。

 熱くなりやすいヴィータもロッテも落ち着いているし、他のメンバーもこの場で争うべきではない事は理解している。
 それを確認し、士郎は静かに敵意を霧散させる。

(これで結界が発動する様な事は防げるか)

 一旦落ち着いたとりあえず安堵
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