第二話
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それからしばらくはソル、ルナを右手に、杖を左手に持っての魔法練習に励んだ。
ルナは俺に合わせて魔法を発動してくれるのに対してソルは無口ながらも俺の意思を先読みしたかのように魔法を展開してくれる。
なんだかんだ言って、ソルも自身を使ってもらえることは嬉しいらしく、しばらく使わないで居ると拗ねてしまうのが困りものだ。
そして今、俺はすっかり俺の側に居ることが当たり前になりつつあるソルとルナを机に載せて、自室の机の上で羊皮紙を前に羽ペンにインクを染み込ませ、一生懸命昔の記憶を思い出している。
「うぅーん」
『どうかしましたか?』
俺の唸っている様子をいぶかしんだルナが話しかけてきた。
「うーーん。いや、今のままでも十分に役に立ってくれている君達だけど、俺は君達自身を杖として使うために購入したのだよ」
『はあ…』
ルナの気の無い返事を聞き流し俺は羊皮紙にペンを走らせる。
「やっぱり両手が塞がるのはネックだからね」
前世は同人などで自作本を出したりしていて絵にはそれなりに自信があるため割りと細かく自身の思い描く杖の設計図を完成させることが出来た。
『それは?まるで斧みたいですが、杖なのですが?』
ルナの発言で気づいたと思うが、ぶっちゃけまんまバルディッシュです。
「まあ、ね。
一応ブレイドによる直接戦闘も視野に入れているからこんな形状なんだよ。」
なんて、ぶっちゃけただの趣味ですとは言えませんね。
「ここ、この窪みに君達をはめ込んで杖として使えないかなと」
斧の付け根の部分を指差してルナに説明する。
『しかし、これはまたえらく精巧な形をしていますね。好く描けるものです』
「まあね。俺の数少ない取り得のようなものだよ」
絵を描くのは子供の頃から好きだったからね。
「だけど、これをどうやってつくろうか…。これだけ精巧な物を錬金で作り上げる力は俺には未だないし、かといってこの設計図を見ただけでこれを再現できる魔法使いの知り合いも居ないし…どうした物か」
俺が考えに耽っていると、救いの手はかなり近場からかけられた。
『あの、私達を造った方なら恐らく再現が可能かと思われます』
と、ルナが俺に話しかけてきた。
「マジ?」
『はい。恐らくは。店に売られるまでの道のりは記憶していますので、お会いになるなら案内は出来ると思うのですが…』
「何か問題でも有るの?」
『はい。あの造物主はかなり変わった性格と言いますか、かなり危ない思想の持ち主といいますか、かなり逝っちゃってる感じの人でして…』
「言葉は通じるんでしょう?ならこちらの態度しだいだよ」
『それと、これがかなり重要なことなのですが…』
「何?」
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