第二話
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ものだろう」
「造れるんですか!?」
「ああ」
「本当に?」
「もちろんだ」
男のその言葉に俺は感動に震えた。
「だが、造ってやるとは言っていない」
感動に震えていた俺を正気に戻したのはそんな言葉だった。
「えっと、あの。お金なら払いますから」
「私は余りお金と言う物に執着はしていない」
「えっと…なら」
「私は知識に飢えている。私はこの世の総ての事が知りたいのだよ。だから多くのことを研究し、実験を繰り返している」
「はあ…」
「非人道的な実験も躊躇わずに行って来たせいで国を追い出されたくらいだ。
だが、そんなことでは私の知的欲求は収まってはくれない。」
「えっと。つまりなにを…」
俺の言葉に唇を吊り上げて笑う男。
「君が私の知的欲求に叶う知識を教えてくれるのなら喜んで引き受けよう」
…この人はかなりヤバイ人物なのかもしれない。総ての知識が手に入るなら悪魔とでも取引しそうだ。メフィストみたいに…
だけど、この人を味方に付けられればこれから先多くの物を得られる予感がある。
此処で断られるわけにはいかない。
俺は前世、地球での知識で思いつく限りの事を男に話した。
「ほお、つまりこの世界は平らではなく球形で太陽がハルケギニアを回っているのではなく。このハルケギニアを含む星という球形が太陽の周りを自身も回転しながら回っていると?」
「はい」
多くのファンタジー世界よろしくこの世界も天動説が主流…いやそもそも地動説があるわけも無く、俺の語った事はかなり知的好奇心を刺激されたようだった。
「なるほど、しかしこの大地が丸いとしたら反対側の人は落っこちてしまうのではないか?」
「それは、星には引く力、引力と言う物がありまして」
と、今度は引力の説明。
「なるほど、月の満ち欠けと潮の満ち引きにそんな関係が有ったとは」
しきりに頷いている男。
ひとしきり話した後、俺は切り出す。
「それで、あの…」
「あ、ああ。なぜお前がそんな知識が有るのか気になるが、今は良いだろう。この仕事を引き受ければまだまだ君から面白い話が聞けそうだ。良かろう、造ってやろう。その代わり時々此処に来て私の話し相手になってくれ。
お前の語る話は実に興味深い」
「はあ…」
「そうと決まれば早速その杖の概要をお前の口から説明してくれ。この設計図はかなりの出来だがどういう意図が込められているのか興味がある」
そして俺は杖の概要を説明するのだった。
しばらくすると俺の話から今度は設計図を見ながらなにやら一人の世界に入ってしまったらしく、一人ぶつぶつ言いながら何かを羊皮紙に書きなぐっている。
「
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