第二話
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『えっと。彼はその、エルフなのです』
「へえ、そうなんだ」
『あの、驚かないんですか?』
「いや、驚いているけどね、そっか、エルフかぁ」
『あの、マスターはもしかして人間とエルフの確執を未だご存知無いのですか?』
「ううん。知っているよ。ハルケギニアの人間はエルフを恐れ、嫌っているって事は」
『なら何故動じないのですか?』
「それは俺が無神論者でブリミル教だの聖地だのはぶっちゃけどうでも良いと思って居るからね」
俺のその発言にルナは驚いて声が出ないようだ。
それはそうだ。俺の体は今だ5歳を少し過ぎたくらい。
普通の人間なら親の教えを絶対視したり、自身の考えなど持って居ないような年齢なのだから
「まあ、そんな事はどうでもいいよ。それよりもそのエルフの人の所に案内よろしくね」
『…了解しました』
ルナからの了解の返事をもらい、俺は出かける支度を済ませる。
そして俺はこっそり屋敷を抜け出した。
何でこっそり抜け出したかって?
そりゃ会いにいくのがエルフだからです。
俺自身はエルフに偏見を持っては居ないけれど、護衛についてくる大人達はそうは行かない。
恐らく一触即発の事態に陥る事請け合い。
そんな事態を回避するために一人屋敷を抜け出したのです。
フライの魔法で飛び続けること30分。
人気の無い山の方に向かって進んで行きます。
ソル、ルナに補助されたフライの魔法は、周りの風に干渉して風圧を減らしてくれるのでかなりの速度で飛翔する事が可能になっている。
眼下に目的地が見えてきたとのルナの言葉に俺は地上に降り立った。
オラン伯爵領の端の森の入り口にひっそりと立つ古屋。ルナによれば此処が目的地らしい。
「ここ?」
『はい』
それは見るからに怪しい古屋だった。
窓の類は一切無いのに、幾つ物の煙突が小屋のいたる所から突き出し、煙を噴出している。
俺はその光景に少しばかり気後れした物の、勇気を振り絞って扉をノックした。
「すみませーん」
しかし、中からの反応は無い。
俺はもう一度ノックし、さらに大きな声で問いかける。
「すみませーーーーん!」
「何か用か?小僧」
「ひっ!」
俺の掛け声に答えた言葉は俺の真後ろからだった事に俺は驚きの声を上げて振り返る。
するとそこにはローブを深くかぶり、手に麻袋を持った男性がこちらを見ている。
「何か用かと言ったのだが」
俺が驚いて何も答えられずにいた所、ローブの男から再度声がかけられた。
俺は慌てて取り造って話しかけた。
「あの、俺は、アイオリア・ド・オランと申します。此処には先日街で買
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