TURN136 帰還その七
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「他の大怪獣達も」
「富嶽は一匹だけでも恐ろしい驚異です」
帝は日本にとって最大の驚異であり続けている大怪獣のことを忘れてはいない、それで今もこう言うのだ。
「それが何匹もとは」
「私達の世界でなくてよかったです」
心からだ、帝は話を聞いてこう言った。
「若しあんなものが何匹もいれば」
「はい、全くです」
「日本は何もかもがなくなっていました」
まさにだ、そうなっていたというのだ。富嶽達に惑星のことごとくが破壊されて。
「そして富嶽だけでなくですか」
「その他の大怪獣達も多くいました」
「とんでもない世界だったぜ」
イギリスも今は皮肉なしに言う。
「あんな世界じゃ俺達は生きていられないだろうな」
「魔界みたいな場所だね、話を聞く限り」
キャヌホークですらだ、今は軽い調子ではない。大怪獣達が多くいるということは驚異どころではないからだ。
それでだ、彼もこう言うのだ。
「惑星に住んでいる人間もいないだろうな」
「惑星までは調べていないが」
山下はこのことについて話した。
「しかし考えてみるとな」
「うむ、人類が生きていられる世界ではないな」
ベートーベンは普段以上に深刻な顔だった、普段のあの厳しい顔がさらにそうした顔になっているのだ。
「我々の世界でなくてよかった」
「全くですね、それとです」
ユーリはベートーベンに応えながらあることに疑問を感じた、その疑問とは何かというと。
「旧ロシア帝国の戦艦があったということですが」
「行方不明になった戦艦もなかった訳じゃないよ」
ロシア帝国の国家だったロシアの言葉っだ。
「名前とか型とかはわかるかな」
「あれは確かクトゥーゾフでした」
秋山が答える。
「クトゥーゾフ級戦艦の一番艦クトゥーゾフです」
「確か一次大戦の時にチェリノブでの訓練中にブラックホールに飲み込まれて行方不明になった戦艦だよ」
ロシアはすぐに答えた。
「それで何処に行ったかわからなくなっていたんだけれど」
「まさか別世界に行っていたとは」
ロシア妹も言う。
「想像していませんでしたね」
「全くだよ」
「艦内には誰もいなかったみたいだな」
イギリスはこのことも話した。
「逃げたのならいいけれどな」
「そうですね、そうであることを祈ります」
ロシア妹はイギリスに応えながら述べた。
「乗組員の方々が」
「ああ、まああまり多くは調べなかったからな」
「それでだが」
柴神がだ、ここでイギリス達に問うた。見ればその顔は今もかなり深刻なものだ。
「会ってはいないのだな」
「大怪獣には会ったぜ」
「あの世界の人間達にも」
「あっ、あの世界にも人間がいるのかよ。というかな」
イギリスは鋭くそのことに気付いた、それで柴神にこう問い返し
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