破邪顕正
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唯一の取り柄だったのに、諦めるなんてバカじゃないの?」と。
金色の炎が噴き出した。
「何!?」
無の空間が、金色の炎に燃やされていく。
ゼロは目を見開き、その頬を汗が伝った。
その間にも、金色の炎がゼロの魔法を燃やしていく――――!
「おおおおおお!」
「金色の炎が・・・」
「らあああああ!」
「オレの魔法を燃やしているだと!?」
「ああああああ!」
ゼロの目が、有り得ない物を見るように大きく見開かれる。
ナツが力強く、足を踏み出した。
その姿は、天へと吼える火竜のよう。
雄叫びを上げるナツの姿が―――ドラゴンに重なって見えた。
その雄叫びは地を揺るがし、空を切り裂くように空を駆ける。
目の前には―――――ドラゴンがいる!
(ドラゴンを倒す為に・・・)
ゼロの目が最大に見開かれ、その表情が恐怖に似た感情に染まり始める。
(ドラゴンと同じ力を身につけた魔導士)
その目の前には、ナツがいる。
荒れ狂う怒りの感情をそのまま表情に出し、鋭くゼロを睨むナツが。
(これが・・・本物の)
その背後に竜が見え――――――
(滅竜魔導士!!!!)
これが本物。
これこそが本物。
自分の知る、魔水晶を埋め込んだコブラとは違う、本物の竜殺し。
その拳が、ゼロの顔面に直撃する。
「全魔力解放!!!!」
金色の炎を全身に纏う。
「滅竜奥義“不知火型”!」
左手を横に、右手を胸の前に持ってきて腰を落とす。
そして――――――
「紅蓮鳳凰劍!!!!!」
飛んだ。
ゼロへと突進するナツは、ゼロの懐に入る。
そしてその勢いは止まる事を知らず、金色の炎は飛んでいく。
だが――――――それだけじゃ終わらない。
「全く・・・出て来るなりいいトコ持っていこうとしないでよね!」
グランドクロスの発動を解き、本格的にナツを助けようとしたティアはナツに目を向ける。
その両手に金色の光を纏い、突き抜けていくナツの足へと向けた。
「滅竜奥義!」
紺色の魔法陣が展開される。
そして両手を合わせ――――放つ。
「グランドクロス!」
金色の竜巻。
その星の旋風は、ナツの勢いをアシストするようにナツに纏われ、その勢いは増していく。
「ぐああああああああ!」
「あああああああああ!」
「行っ・・・けえええええええええ!」
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