第一物語・後半-日来独立編-
第六十八章 強くあるために《4》
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えて着弾を防いでいるが、見る限り流魔の消費が激しいように見える。
それ程、竜神の竜口砲は強力なこと示している。
と、その時だ。
宙に走る青い線。
なんだ、あれは。と疑問に思っていると、答えはすぐに来た。
「セーランか!」
青い線は流魔線だ。
流魔線を使い、セーランが宙を行く。だがこちらの声に気付かず、真っ直ぐ、竜神の元へと向かった。
多数の砲撃のなかを潜るように進み、一刻も早く辿り着こうとしているのが見て分かる。
援護をしてやりたい気持ちはあるが、あの砲撃の雨のなか付いて行くには、獣人族であっても無理があった。
ただ見ていることしか、自分達には出来無かった。
●
止まる気配の無い砲撃。そのなかをセーランは行く。
黄森側は竜神を止めるべく砲撃による攻撃を行っているが、セーランは竜神に流れた奏鳴の流魔の回収するまでは竜神をやらせるわけにはいかない。
これ以上は黄森との仲を悪くはしたくない。
竜神がやられる前にこちらの目的を果たす。
すまないが、今回は竜神の味方ではない。
戦闘艦から放たれる砲撃はセーランがいるも、構わず主砲をも鳴らす。
何もしなければ直撃する砲撃だが、わざわざ当たる義理も無い。流魔操作によって創り出す盾によって防ぐ。
流魔を圧縮させ、密度を高めた流魔の盾は大きさ数メートル。
完全に防げるわけではない。
一定時間の時間稼ぎであり、セーランが通過したならば盾は崩壊する。そうして竜神に近付くセーランの元に、二人の女子学勢が来た。
女子学勢の二人は宙に系術で足場を築き、その上を行く形で宙を行く。
身に付けている制服は日来学勢院のものでも、宇天学勢院のものでもない。
黄森のものだ。
「またあいつらか」
解放場に突入する際に、行く先を阻んだ者だ。
なんの目的で近付いてくるのか。
邪魔をしに、それとも竜神を仕留めるためか。
どちらにしろ、仕掛けてくる場合だった時の構えは取っておく。
そう時間は掛からず迫る黄森の女子学勢。手にはそれぞれ武器を持ち、勢いを落とさず近付いてくる。
ふとした瞬間、黒髪の女子学勢がセーランの目の前へと距離を詰めた。
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