第一物語・後半-日来独立編-
第六十八章 強くあるために《4》
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うことだ。
今回の暴走は正式に宿り主となったにも関わらず起こったが、奏鳴が酷く疲労していることと、神の力の扱い具合に慣れていないために起こったものだ。
体調が回復していけば、今後竜神の力の使い方を学び、無駄無くこなせるようになるためにもう竜神の血による暴走の心配は無くなる。
「けど今はやっぱ竜神に割いた奏鳴の流魔を、再び奏鳴に送り返して暴走を防ぐ」
「流活路の流れを、逆流させるようなことを言うな。神から流魔を削ぐなど、人類には出来無いぞ」
「馬――鹿、俺だって宿り主なんだぜ。宿した傀神は流魔に作用する能力」
言うと、セーランの右腕が青く光る。現れたのは手が爪となった青い腕。
“憂いの葬爪”だ。
宿り主であることを示すその腕を曲げ、掌を奏鳴の身体の上へと置く。
ほのかに光る掌からは流魔が送り込むれ、削られた奏鳴の内部流魔を回復させていく。
「少しはマシになると思う。後ちょっとだけ待っていてくれよ」
ある程度回復させ、奏鳴をその場に置いていく。
竜神に流れた奏鳴の流魔を取り出すために。
人には人にあった内部流魔へと自然と流魔が変わり、蓄積されていく。本人にとって一番身体にいいのは本人の流魔ということだ。
「ありがと」
背後から奏鳴が感謝の言葉を言った。
背中で言葉を受け取ったセーランは振り向かずに、握る左手を水平に上げ、親指を立てることで返事とした。
●
空に浮いている竜神が見詰める者。
それは黄森の長、織田瓜・央信だ。
赤い瞳に映し、じっと遠目に見ていた竜神。
動きの見せなかった竜神が一鳴きした後、大気を割って央信の元へと突っ込んだ。
軌道から推測するに、ずっと行けば央信と衝突する形となる。
「長を守れえええ――――!!」
突如として叫んだ繁真。
映画面|《モニター》越しに聴いた黄森の者達は身体を震わせ、反射的に言葉の意味を理解した。
竜神が央信を殺しに来た。
宿り主を解放させようとした報いとして、怒りの矛先を央信に向けた。
戦闘艦の主砲が鳴る。
日来の制圧を行っていたドラゴン級戦闘艦・輝光が、その機動力を活かして即座の砲撃を行った。
それを合図として、他にも日来の制圧に向かっていた戦闘艦から竜神を目標とした砲撃が放たれた。
砲撃対象を竜神に優先し、副砲も続いて鳴いた。
「清継、急ぎ玄次郎殿に連絡だ!」
「りょ、了解です!」
慌ただしい空気に圧倒された清継は、震えた手を動かして映画面を表宇した。
早く早くと心のなかで焦りながら、やっと繋がった相手は繁真が言った相手ではなくて、
『んだよ、清継か』
日々日・王政。同級生だった。
「あ、あれ? 通信相手間違えましたあああ――――!?」
『叫びながら疑問系とか凄えなお前』
「ど
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ